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単身女性と賃貸マンション
住宅新報2月22日号
ある雑誌の企画で、これからマンションを借りようとする女性の意見を聞く機会に恵まれた。彼女達の意見、希望を聞きながら、専門家としてアドバイスを、というのだ。
相手は賃貸一人暮らし入学生、つまりこれから初めて一人暮らしを始めようとしている女性なので、ごく基礎的なアドバイスをすればよいと思っていたのだが、話を聞くうちに、こちらがプロという意識の上にあぐらをかいていたのではと反省させられた。彼女たちの希望が、想像以上に具体的で現実的だったからだ。
駅から近いこと。できるだけ広い部屋。収納が多い。ごく一般的な要望、つまりプロであるこちらでも想像していたような要望に加えて、いくつか意外と思えるポイントが出てきた。
まずはキッチンについて、彼女たちはみな声をそろえて、「ガスコンロを」というのだ。すでにいくつか物件回りをしている女性もいたのだが、不動産業者に案内された部屋が電気コンロだと、それだけで借りる気をなくしてしまうという。理由を尋ねると、何となく使いづらそうだからというだけで、ガスと電気を自身で比較したうえでの意見ではない。それなのに、ガスをという希望は根強いのだ。
大家さんの中には、ガスは安全性に不安が残るという思い込みから、電気コンロにこだわる人を見かけるが、それは一人暮らしの女性をターゲットにする限りかなりマイナス、ということになる。
できればキッチンや洗濯機を、扉か何かで隠したいという意見も出た。玄関を入ってすぐにキッチンシンクや洗濯機が見えてしまうのは、どうにも抵抗があるというのだ。ワンルームマンションのほとんどが、そのようなプランで貸し出されているなかで、借り手がこれほど抵抗を感じているというのも、現実とのズレが見えて興味深かった。
「発生しやすいトラブル 弁護士 江口正夫氏」
共同住宅でのペット飼育を考える場合、分譲マンションでは@入居案内にペット禁止の記載があった場合に入居者に拘束力があるかA禁止されていない場合、新たなペット飼育禁止の規約変更は可能か−という問題がある。また、賃貸共同住宅では@賃貸借契約書でペット禁止が定められている場合A入居者がペットを飼育し始めた当時、契約でペット飼育を定めていなかった場合−が問題となる。
判例では、賃貸借契約でペット禁止特約がない場合でも、共同生活の秩序を乱す行為に該当し、是正措置が期待できないと認められた場合には、賃貸人からの飼育中止の勧告後の建物渡し請求を認めており、「特約の有無は問題とならない」という見方を採っている。
彼女たちから出た要望で、何よりも意外な気がしたのが、一様に、風通しのよさにこだわっていたことだ。けれどもこの意見は、よくよく話を聞いてみればもっともなことだった。要するに、これから初めて賃貸マンション生活を始めようという人は、今現在は実家、すなわち一戸建てに住んでいる人が多いのだ。つまり新しい自分の城について検討する際に、常に彼女たちは頭の中で、一戸建ての自分の今の部屋と比較しているのである。狭さについては予算的に仕方がないと我慢せざるを得ないとして、一戸建ての部屋との比較で、風通しが見るからに悪いウナギの寝床のような部屋には言いようのない抵抗がある。できればというか、当然というか、角部屋に住みたいというのだ。
そこまで話を聞いて、今までざっと出てきた彼女たちの要望が、不意に1つの鎖でつながる気がした。つまりすべての要望は、今現在自分が住む実家や自分の部屋との比較から出てきた言葉なのだ。ガスコンロにこだわるのも、実家のキッチンがガスコンロだからなのだろう。ミニキッチンを扉で隠したいという要望も、玄関を入ってすぐにキッチンが見えるというのは、彼女たちにしてみれば、それはイコール勝手口に見えてしまうのだ。
賃貸マンションというフレームの中で考えていては、彼女たちの要望は理解できない。賃貸マンションであろうと分譲マンションであろうと、そして一戸建てであろうと、自分の家に求めるものは本来同じものであるべきだ。そんな基本的なことを、彼女たちからあらためて教えられた気がした。
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新しい集合住宅に向けて 〜ペット共生賃貸住宅セミナー〜
住宅新報 2月8日号
住宅新報と不動産流通研究所は1月25日「ペット共生賃貸住宅セミナー」を開催した。
「紛争を避ける仕組みを 井本忠夫氏」
集合住宅でペットを飼ってはいけないとされてきたのは、紛争を避けるためだ。紛争は「イヌが吠えるのがうるさい。何とかしてくれ」といった要求が拒否されることから生じる。だから、拒否されない状況をつくればいい。
私の住んでいるのは分譲マンションだが、「飼育者の会」をつくっている。そこで苦情を受け止めるシステムをつくり、解決のためのノウハウを蓄積し、トラブルを減らすことに成功した。賃貸マンションでも応用できると思う。
基本は、だれが飼っているのかをはっきりさせる、隠れて飼うのをやめさせることだ。オーナーや不動産業者は、入居希望者にイヌやネコを飼っているか、飼いたいのか質問し、飼うことができる人には飼わせていい。後々のために、契約書にペットの件を盛り込んでおく。イヌなら一回の命令で従うかどうか。ネコは室内で飼っても、隣近所に迷惑をかけることはない。避妊や去勢手締をしておけば発情期に鳴くこともない。爪研ぎは必要な行為で、彼らの存在確認でもある。壁紙を貼り重ね傷めば取り替えればよい。
賃貸経営にとって、ペット対応のノウハウを早く手にすれば優位に立てる。
「発生しやすいトラブル 弁護士 江口正夫氏」
共同住宅でのペット飼育を考える場合、分譲マンションでは@入居案内にペット禁止の記載があった場合に入居者に拘束力があるかA禁止されていない場合、新たなペット飼育禁止の規約変更は可能か−という問題がある。また、賃貸共同住宅では@賃貸借契約書でペット禁止が定められている場合A入居者がペットを飼育し始めた当時、契約でペット飼育を定めていなかった場合−が問題となる。
判例では、賃貸借契約でペット禁止特約がない場合でも、共同生活の秩序を乱す行為に該当し、是正措置が期待できないと認められた場合には、賃貸人からの飼育中止の勧告後の建物渡し請求を認めており、「特約の有無は問題とならない」という見方を採っている。
また、ペット飼育禁止規約に違反した区分所有者に対しては、区分所有法で、飼育禁止の差止請求訴訟や使用禁止の請求が認められているほか、迷惑行為が止まない場合には区分所有権の競売請求もできる。
ペット共生住宅の運営で重要なことは、事前にルールをしっかり決めておくことだ。対象となるペットの種類や飼育方法、修繕問題についても明確にしておく必要がある。
「過剰設備避けて採算性を 岩瀬晃透氏」 ペット住宅が空室対策として有効なのは供給を需要が上回っているだけではなく、どこの地域でも使える「公約数型大型市場」であるからだ。
逆に言えば、ペット飼育者だけに絞った供給は自らマーケットを狭めるばかりでなく、ペット専用住宅として過剰投資に陥りがちで、家主の投資採算性を圧迫しかねないから注意が必要だ。では、どういった供給計画を立てれはいいのか。第1に家主の資産保護に直結するハード上の対策を重視することであり、第2にハード面だけではカバーできない問題をクリアするためのソフト対策を充実させることだ。
クロスは、洗えて、傷に強いものを選び、補修コストを削減する。クロスの横張りと床も含めた防水施工も必須だ。ペットゲート、足洗い場、専用トイレといった設備は、ゼネコン任せにするとグレードは高いが高価なので、市販設備を採用したい。不十分なケースもあるが工夫次第で不便は解消できるものだ。
こうしたハード面を補うのが、設備の使い方に関する指導やペット飼育に関係するルールづくりなど、ソフトの部分である。住まい方のルールを教えるコミュニティークラブのような組織は不可欠であり、この場を使ってうまく管理すれは投資コストを圧縮できる。さらに、この場を通して各種のサービスを提供すれは、賃貸住宅の付加価値も向上する。
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伸びるペット共生賃貸 〜春から供給増加〜
週刊住宅1月17日号
ペット共生住宅は、賃貸住宅の空室率が高まり始めたなかで、入居率が安定した持化住宅として注目を集めている。とくに、家賃の低下傾向が顕在化したここ2年ほどは、低下以前の家賃水準を維持しやすいこともあり、ハウスメーカーや建築会社、賃貸管理など住宅関連企業やオーナーなどが取り組む姿勢を強めている。
共生住宅の供給増で課題となるのが、とくに賃貸住宅で安定した入居率を維持できるかどうか。これまでの入居者は、ペットともに暮らしたくても物件が少なかったことで″待ち”を余儀なくされ、ペットと同居できる住宅に入居できれば若干の不満を我慢していた傾向が強かったが、入居住宅の増加でペット共生住宅の生活環境・質そのものが問われるようになる。
そこで、新規に増加した物件の管理・環境が従来の物件より低下すると、ペット共生住宅も一般の賃貸住宅と同様の価値基準になる可能性がある。また、供給量が増加すると、無理な入居促進策も考えられる。それだけに、自分達で自分の首を絞めるような取り組みだけは避ける姿勢が必要だろう。すでに、ペット関連住宅市場は1兆2千億円規模まで拡大しているとの見方もあり、今年からの2年間が同市場規模を安定化できるかどうかの重要な意味を持つ。
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