〜「最近の不動産トレンド」について報告〜 (住まいるクラブ 2001年11月号 特集記事) 9月のあの衝撃的な事件から、いくらかの時間は経過していますが。相変わらず、新聞紙上やテレビなどではテロやアラブ関係のニュース、それに端を発して悪化した米国や世界経済状況のニュースなどが今でも氾濫していています。この紙面が皆様のお手元に届くころには、新たな事態に突入しているということも十分に考えられます。 そんな緊迫した雰囲気のなかではありますが、この紙面では今回は多少いつもよりもリラックスしてお読みいただければと思います。 持家志向8割、子供に「財産残したい」 〜国土交通省調べから〜 国土交通省がこのほどまとめた「土地問題に関する国民の意識調査」によると、土地・建物ともに所有したいという回答は79.2%と約8割(東京圏は73.3%)を占め、依然持家志向が強いことが分かった。 調査は全国の20歳以上の人3000人を対象に行ったもので、有効回答数は2255件。 持家志向の理由では 「子供や家庭に土地・建物の形で財産を残したい」 ・・・・・・・・・・44.9% 「借地・借家では生活や権利が不安定であり満足できない」 ・・・・・・・・・・39.8% 「土地・建物は他の財産と比べて有利な資産である」 ・・・・・・・・・・39.4% 「土地・建物が所有できるなら、家賃を払うよりローンを支払う方がいい」 ・・・・・・・・・・26.4% 高齢者の住まい方では 「住み慣れた地域に住み続けたい」・・・・・・・・・50.6% 「日常の買い物、病院への通院の便など、より日常生活の利便性が高い地域に住みたい」 ・・・・・・・・・・23.7% 「緑や水に親しめるなど、良い環境に恵まれた地域に住みたい」 ・・・・・・・・・・15.7% ☆トレンド☆ 過去の圧倒的な持家志向からは数字は後退していますが、依然として高い数字です。これは、優良な賃貸住宅の不足、高齢者が安心して住める賃貸住宅の不足なども影響しているともいわれています。安心して、自分の住み慣れた町に住むには、借りるより、所有するほうにまだまだ「分」があるようです。また、バブル崩壊後、資産形成としては、目のかたきにされてきた不動産ですが、デフレでお金の運用先が少ない昨今、インフレにも比較的心配のない不動産にますます注目が集まってくるでしょう。 住宅金融公庫融資の存続に7割強が賛成 〜全国の消費者にアンケート〜 住宅生産団体連合会がこれから住宅を取得しようとしている一般消費者を対象に行ったアンケート調査結果で7割強が住宅金融公庫の存続に賛成していることが明らかになった。アンケート調査は公庫融資の廃止・存続に関して8月末から9月上旬にかけて全国ベースで行い、3000件を超える回答があった。 存続か廃止では 「廃止に賛成」・・・・10.9% 「存続に賛成」・・・・73.3% 存続に賛成の理由では 「長期・固定金利・低利の住宅ローンだから」・・・・・73.8% 「いつでも誰でも借りられる安心感があるから」・・・・59.4% 「設計・現場審査があり、欠陥の心配がないから」・・・26.2% 廃止に賛成の理由では 「民間金融機関の融資で十分だから」・・・・・・・・・57.5% 「利子補給金の額が大きすぎるから」・・・・・・・・・23.1% 公庫融資がなくなり、民間金融のみになると 「不安がある」 ・・・・・・・・・・76.9% 不安の理由については 「選別化が厳しくなり、借りたくても借りられない懸念があるから」 ・・・・・・・・・・54.8% 「不景気になると貸し渋りがあり、いつでも借りられるか不安があるから」 ・・・・・・・・・・52.8% 「金利が上がりそうだから」 ・・・・・・・・・・43.4% 世代別にみると、公庫融資存続に賛成しているのは20代が76%で最も多く、40代が75.2%、30代が72.2%、50代が71%、60代が69%と若い世代に存続派が多く、60代を除いた世代は「存続に賛成」7割を超えている。 ☆トレンド☆ 先月号でも特集した住宅金融公庫。まだまだ多くの人が存続を望む理由は民間金融機関よりも「長期、低利、固定、誰でも」がキーワードとなっているようです。しかし、いつまでも公的機関に頼っていては民間金融機関の競争が進まず。かといって、今の民間金融機関が本当に利用者に有利なものを今の状況下で自分たちのリスクで提供するとは考えにくい状況ですし。この問題はまだまだ議論が続きそうです。 増加した熟年夫婦のマンション購入、4年間で倍増 〜マンション購入者の分析から〜 長谷工アーベストはこのほど、今年上半期(1月〜6月)に首都圏で同社が受託販売した新築マンション3453戸の世代別購入者分析を行ったが、30歳代の若年ファミリーが依然として主力である一方で、50歳代・60歳代の熟年夫婦が4年前の約2倍に増加していることが分かった。 ここ数年、首都圏ではいわゆる団塊の世代といわれる50歳代以上のマンション購入が増加傾向にあり、 ・ 昨年上半期にはそのシエアが23.5%までに拡大、4戸に1戸が50歳代以上だった。 ・ なかでも夫婦2人世帯の増加が顕著で、今年上半期には4年前の4.2%から8.9%に倍増した。 ☆トレンド☆ こうした背景には、ライフスタイル、老後対策、経済事情の変化などがあるといえそう。 ライフスタイルの変化では、子供の独立と定年退職が大きな要因。老後の生活を考えた結果、利便性に優れたマンションを選択し、趣味や夫婦・友人との時間を楽しもうという傾向が顕著になっていて、子供と一緒に生活をしようという考え方は年々減少しつつある。 老後対策では体力的に戸建住宅の管理が困難になったことや階段の昇降の厳しさ、経済的事情では低金利やローン返済の年齢条件等が考えられる。 基準地価、10年連続で下落 〜国土交通省発表の基準地価分析から〜 国土交通省が発表した7月1日時点の基準地価は全国平均で前年比4.1%下がり、10年連続の下落となった。下落率は前年の3.6%より拡大。企業のリストラによる土地売却などを反映し、商業地は6.6%、住宅地は3.3%下落した。 基準値が最も高かった1991年に比べた下落率は住宅地が19.8%、商業地が47・8%に達した。商業地の調査を始めた77年を100とした商業地指数は118.3で、20年前の1981年の水準(120.2)まで落ち込んだ。 住宅地では大阪圏と名古屋圏の大半の地域で下落幅が拡大。ただ、東京圏ではほぼ全域で下落幅が縮小した。個人が郊外から都心に引っ越す「都心回帰」の動きを背景に、通勤・通学が便利だったり、周辺の商業施設が充実していたりする地域は地価が下げ止まる傾向にある。 半面、郊外の便の悪い地域などでは地価が引き続き大幅に下落。都道府県別で前年を上回ったのは島根県だけで、昨年は上昇した高知県、横ばいだった岩手県はともに下落に転じた。 また、東京圏の商業地は下落率が昨年の9.0%から7.6%に縮小。特に東京都区部では海外ブランド店舗や情報技術(IT)関連企業のオフィス需要が底堅く、昨年は2地点だった上昇地点が今年は11地点に増えた。 ☆トレンド☆ 土地価格の2極化傾向が進むことは以前から指摘されていますが、今年もさらにその傾向が強まったといえそう。また、価格についてはバブル崩壊前の水準より下がったのが全体的に明確になりました。 ただ、東京圏については下落幅が縮小しています。と、いうことは、東京圏で利便性の高いところは下げ止まり傾向がかなり強く、金利低下もこれ以上はあまり期待できない現状では、今が買い時かも。 〜ワンポイント〜「基準地価」 都道府県が発表する毎年7月1日時点での土地価格。今年の基準地価の調査対象は全国2万7725地点。国が毎年1月1日時点で調査する公示地価と並び、土地の取引価格を決める際の指針となる。このほか相続税の評価基準となる路線価(国税庁)や、3年ごとに公示地価などから算出する固定資産税評価額(総務省)がある。 ! |