〜「マイホームと税金」 その1〜 (住まいるクラブ 2002年1月号 特集記事) 冬もいよいよ、終盤戦に突入です。元気な子供たちにとって、冬の楽しみのひとつに「雪遊び」がありますが、「降雪」は、電車、車、自転車を利用する大人たちにとっては、ちょっと「憂鬱」な日になるときもあります。でも、春が近くなると関東地方に雪が積もるとも言います。雪が好きな人も嫌いな人も「春はもうすぐそこまで来ていますよ〜!」 さて、今回は税金のお話しを中心にお送りいたします。税金というと「面倒くさい」「頭いたい」「払いたくない」と、イメージはマイナスの方が強いようですが、税金については不動産に限らず「知っていて、ちょっと得する」ことも多いものです。今回はそのうちの、売却にかかわる税金です。買うときの参考となる内容もありますので、これから買う方も、ぜひ、お読みいただきたいと思います。 不動産と税金って関係あるの? 税金というと普段の生活にはあまり関係のないことのように思われがちです。特に、会社勤めのひとのなかでは、毎月の給料や賞与から知らないうちにひかれていて、税金なんて、まったく気にしたこともないという方も多いはず。 でも、よく考えてみると消費税をはじめとして、ものを買ったり、売ったり、持っているときなど、税金を払わなくてはならない場面は結構、多いんです。たとえば「自動車」にしても、重量税、自動車税や印紙代と、いくつかの税金を払っているのです。 実は、不動産についても同じように「売ったとき」「買ったとき」「持っているとき」のそれぞれの場面で税金がかかわってきます。 不動産を売ったら税金がかかる? 売ったときの税金にはいる前に、会社員の方は「給料明細」をお手元に持ってきてみてください。毎月、社会保険料、厚生年金、と引かれているばかりか、そこに「所得税」「住民税」という税金も引かれているのにお気づきでしょう。確定申告をされている方には、馴染み深い言葉ですが、それ以外の方には、いつ聞いても混乱してしまうのではないでしょうか。それは、所得のあった人に対してかかる税金で、所得税が国に払う税金(国税)で住民税が地方に払うもの(地方税)です。 そして、この所得税、住民税の基本(勿論、例外や特別ルールは有りますが)は収入のあったひとには必ず課税するということです。 不動産を売るときもこの基本が適用されます。不動産を売ると、その結果として、○百万円、○千万円というお金が手元に入ります。これは収入としてみなされ、所得税、住民税の納税義務が生じるのです。 それでは、不動産を売るときには必ず税金がかかるというと、そうでもありません。 いつでも課税されるわけではありません。 小売業のことを考えてみましょう。1本のボールペンを100円で売るのに、仕入れとそれにかかる経費の合計が80円だったとしたら収入は20円になります。逆に仕入額と経費の合計が、100円をオーバーしたら、売れば赤字になって、収入はマイナスになってしまいます。 不動産を売ったときの税金も、商売と同じように考えてください。買ったときの金額が売ったときの金額より低ければプラス。 @ 100円(販売価格) − 80円(仕入価格) 20円(利益) この場合は20円の部分が課税対象になります。 逆に買ったときの金額の方が高ければ、マイナスです。 @ 100円(販売価格) −120円(仕入価格) △20円(損益) この場合は先の所得税、住民税は課税されません。マイナスの金額を計算して申告すれば売った年の収入からマイナス分を引いてその年の年収が確定します。 Aの計算式でいうと20円を年収から引くことができます。損益が大きければ、売った年の年収がゼロということもあり、収めた税金が全額もどるってくることもあります。 今は、売ると税金がもどってくる人が多い? 話は変わりますが、バブル崩壊後、金融機関の不良債権がクローズアップされ、最近では構造改革にはその処理が不可欠とも言われています。実は、この不良債権(「含み損」とも言えます)は多くの家庭にも存在しているのです。その代表的なものが「株」と「不動産」です。今のこの不況の根深い部分には、この一般家庭の不良債権処理が一向に進まないのが大きな原因ともなっています。 つまり、「売ったら損をする」「売ろうにも売れない」という状態で、どうにもならず、株や不動産に新規に資金を投入することは、なかなかできない家庭が多いということです。 現在の土地の価格はバブル前の昭和50年代後半の水準まで下がったと言われています。ということは、少なくとも昭和60年代に入って不動産を購入した人は、現在の売却可能額は買ったときよりも下がっている人の方が多いといえます。ということは先にお話した、売った年の年収から損をした金額を引ける人が多いということで、それらの人は納めた税金が返ってくるということです。 売って、得をする人は? 今度は、売って得をする方のことを考えていきましょう。だいぶ以前に購入したような方は、不動産を売って得た利益に対して、一定の税率をかけた税金を納めなければなりません。税率は、売った不動産の所有していた期間や利用方法によっていくつかの税率が設定されています。 ここでの課税の基本は「短い期間でもうけた人は高い税金」「事業として儲けた人も高い税金」「マイホームを売った人は優遇」「買い替えすればもっと優遇」ということになります。 国民にとってマイホーム取得は大きな関心ごとのひとつでもあります。また、日本経済にとっても大きなお金が流動することによって、経済の活性化にもつながります。景気のバロメーターとして住宅の着工戸数がよく使われるのも、このような理由からです。そんな理由から国の政策としても、マイホームの取得や売却を優遇するような税制は、景気が悪くなればなるほど促進されていくのです。 マイホームを売ったり、買ったりする人は優遇されます。 そのようなマイホームの売却促進税制の代表的なものとして「3000万円の特別控除」という制度があります。簡単に言うと、先にお話した、売却にともなう利益が3000万円以下ならば、その不動産がマイホームならば、税金がかからないというものです。 ここで注意したいのは、この制度はあくまでも「マイホーム(家)とその敷地」を売った人への優遇制度であるということです。言い換えると、その家に住んでいる人の名義が家に入ってないとこの制度を利用できないということになります。逆に、この条件を満たしていれば共有名義のそれぞれについて適用されます。これは夫と妻が家と土地を2分の1ずつの名義で分けていたマイホームを売却した場合には3000万円の二人分6000万円の利益まで税金がかからないということです。 つまり、これからご夫婦や親子共同でマイホームを購入しようという方は、できれば家と土地それぞれに所有名義をいれたほうがいいということです。「もう不動産は値上がりしないよ!」という方も、世の中何が起こるかわかりません、後で後悔しても「後の祭」用心にこしたことはありません。また、今回は触れませんが、マイホームの購入についても様々な税制面での優遇制度が設けられていますが、これも、やはりマイホーム購入ですので買った人の名義が家にはいっていなくてはなりませんので、必ず、こころがけるようにしてください。 疑問、不安はすぐに質問、確認 その他にも、「譲渡損失の繰越控除」「買替特例」などの聞きなれない制度もまだまだあります。また、実際の売却利益を計算するには「原価償却の計算」「所有期間の計算」「建物を壊したときのあつかい」「家を人に貸したときのあつかい」など専門的な知識や細かい配慮が必要となるときもあります。 そして、不動産を購入したときの名義の配分の仕方も、実際の出資割合を計算してから決めないと、贈与税が課税されるなんてこともあります。 税金の優遇制度をうまく利用するには、「ちょっとした疑問でも、どしどし担当不動産営業に聞いてみること」です。簡単なことならその場で答えてくれますし、センチュリー21では顧問税理士の先生と提携していて、特別な調査や面談が必要な場合を除いて、税理士の先生に確認のうえ答えてくれます。気軽にどんどん質問しましょう! 2002年度の税制改正は大幅改正見送り! 昨年12月に与党3党が今年度の税制改正大綱を決定しました。結論からすると、大きな改正点はありませんでした。景気の下降が一段と加速するなかで、期待もありましたが、マイホーム売却、購入についてはほとんど、影響がなさそうな1年です。 売って、損する人、得する人と話を進めてまいりましたが、皆様はいかがでしょうか? でも、よく考えてみてください、売るだけならともかく、買い換える人は、売るほうが安ければ、買うほうも安い。売るほうが高ければ、買うほうも高い。現在のローンを返済できるならば、売って損する人もあきらめないでください。まして、買う人にとっては価格が下がっているという好条件。 住宅ローン金利が低い今が両方の人にとって絶好のチャンスなのでは?! news! 公庫借入の条件が更に厳しく!! 公庫の来年度改定内容確定「融資限度額は価格の8割が上限」 「年収800万円超の人は価格の半分までが限度」 2002年度予算の財務省原案が内示され、来年度の公庫融資の改定ポイントが確定しました。内容はおおむね国土交通省の予算要求に沿った形となっています。 まず、住宅価格に占める融資限度額の割合(融資率)は引き下げられます。現行では世帯年収500万円以上など一定の条件を満たせば価格いっぱいまで借りられますが、来年度からは原則8割までとなり、年収800万円を超える人は価格の半分までしか借りられなくなります。 また、特別加算は半額に減額され、400万円までになります。 |