不動産についてのお役立ち情報
  〜「住宅ローンについてD」〜

(住まいるクラブ 2002年10月号 特集記事)

太陽の光りが少なく風が強い日などに外にいると、寒さを感じる季節になりました。読書、スポーツ、料理、芸術と何をするのにも楽しい季節です。不景気な世の中だからこそ、いろいろな工夫をして、いつもと違った気持ちで、素敵な季節を過ごしたいものです。
また、9月はあの1年前のテロ事件に関係したニュースや小泉首相の訪朝などの大きなニュースを新聞やテレビを通して目にすることが多い月でしたので、今月は同じニュースでもより明るい話題が多いことを期待したいですね。

 今回で「住宅ローン」を中心にお送りするのも5回目となりました。今までお伝えしたように、護送船団方式だった昔では考えられないような金融機関の違いによる格差が広がりつつあります。これからは、条件やリスクをより深く理解して、たくさんの商品のなかから一番自分に合ったものを選ぶ時代が「住宅ローン選び」にもやってきているということでしょう。
今回も、より自分に合った「住宅ローン」を選ぶためのヒントが、きっとみつかりますのでお楽しみに!


今月の <注目 NEWS>

「11月から住宅金融公庫の保証料値上げ」

 住宅金融公庫を利用している人の返済が滞ったときに、返済を肩代わりする「(財)公庫住宅融資保証協会」の収支が5年連続で赤字になり、協会はこの収支の悪化の改善を図るために、11月からの新規申し込み分については保証料を値上げすることを決めた。
近年の景気を反映して、公庫の支払いを半年前後滞納した結果、保証協会の肩代わりを受ける利用者は11年連続で増加。
一方、協会は、公庫の担保になっていた住宅を売却して、肩代わり分を回収しようとしても、売却価格が低くなって思うように回収額が増えないことや、公庫の条件が毎年厳しくなっていることによる利用者の減少による保証料の収入減などから赤字額は5年連続で増加。


<トレンド>
 住宅金融公庫を利用するときに保証人を立てる代わりに、(財)公庫住宅融資保証協会を利用して保証料を支払っている人は公庫利用者の9割以上です。2000年の10月には15年振りに保証料の値上げが実施されましたが、今回の値上げは前回の値上げからたった2年しか経過していません。
 ちなみに、35年返済で2,000万円借り入れた場合は11月以降の申し込みに対しての保証料は10万円以上の引き上げになります。
平成14年度から年収800万円を超える人は購入価格の5割が借入金額の上限となったのに続いて、借入条件が不利になりました。
公庫を利用しようと決めている方は10月までに申し込みを済ませておきましょう!
11月以降に利用される方はローン保証料も他の金融機関の住宅ローンと比較検討して公庫を利用するかどうか決めましょう!

今月のトピックス <住宅ローン その5>
住宅ローンをうまく使って、より良い住み替え。
 

変動金利型ローン

変動金利型ローンは一定期間ごとに「適用金利」が見直されるタイプの住宅ローンです。したがって借りたときの金利が最後までは続きません。
民間住宅ローンの場合は一般的(金融機関によってことなる場合もあります)に年2回、10月と4月の第1営業日の短期プライムレート(下記をご参照ください)を規準として見直され、その年の前半と後半に分けて適用金利が設定されます。
ただし、適用金利は頻繁に見直されますが、毎回の返済額は5年単位でしか変わりません。6年目以降の5年間の毎回の返済額は直前の返済額の25%を上限としてその時点で再計算されます。

 このような仕組みなので次のような特徴があります。

金利が高いときに借りた場合

最初の返済額が高いので苦労するものの、金利低下にともなって予想以上にローン残高が減ったり、6年目以降の返済額が少なくなったりと金利が下がれば下がるほど楽になります。
金利が低いときに借りた場合
 最初は返済負担が少なくて楽ですが、その後の金利上昇局面では、ローン残高がなかなか減らなくなります。この結果、直前の1.25倍までという上限が設定されているものの、次の5年間の返済額はアップし、最悪の場合、そのときの返済額よりも、本来払わなければならない金利の方が多くなるという「未払い利息」が発生する可能性もあります。

短期プライムレートとは?

正確には新短期プライムレート。「短プラ」と略されることが多い。銀行が優良企業に1年未満で貸し出す際の最優遇金利。金利は1年物の定期預金と3ヶ月物の譲渡性預金、2ヶ月手形の各金利比率を元に計算される。各金融機関によって若干の差がある。

  現在は低金利時代。変動金利型のリスクはなんといっても前記のように、金利上昇局面がやってきて返済額が増えて負担が重くなることです。今のような経済状況が続くとは考えられず、将来的には必ず借入金利が徐々に上がるときが来ると考えられているので現在ではリスクの高い型ということもできます。

変動金利型住宅ローンのメリット

変動金利型住宅ローンのこのような特徴から、現在のような低金利の時代は、固定金利型の住宅ローンを借りた方が有利と言われていまいす。
固定金利型であれば借り入れたときの金利が最後まで変わらないので、将来的に経済状況が変わって市場金利が上昇しても支払額にはまったく影響がないからです。
ここまでにいくつか変動金利型住宅ローンのリスクを強調してきましたが、それでは変動金利型を今現在は使わない方がいのかというとそうでもありません。

変動金利型住宅ローンのメリットもあります。
現在のような低金利の時代では、変動金利型は固定金利型に比較すると借入金利が低く設定されています。したがって、最初の返済額を固定金利に比較して低く抑えることが可能です。
また、返済額が抑えられるということにより借入額も固定金利型で借りるよりも増やすことも可能です。
リスクを強調したのも、リスクに充分配慮したうえでこれらのメリットを活かした借入計画や返済計画を立てればよりよいライフプランに役立てることも充分考えられるからです。

固定期間は何年がお得?

結論からいうと、これは「後になってみないと判らない」ということになりますが、ここ数年の数字を見ると1年固定を選び続けていれば一番有利だったということになります。
今後も現在の金利水準が5年間、まったく変わらないとしたら、毎年1年ごとに固定期間1年の借入金利2%というものを5年間選択し続ければ、その5年間に関してはどんな借入金よりも低い金利で住宅ローンを利用することができたということになります。

選び方の基本は、金利が上昇しないとみれば短期間の固定期間を選んで、上昇すると予想したときには長めの固定期間を選択するのが有利ということになりますが。金利の動向を予想するのはプロでも難しいものです。
そこで、ここは多少の借入金利の差に一喜一憂するよりも、金利上昇のリスクや生活の変化に備えた借り入れをすることが結果的には安心した資金計画になると割り切って考えましょう。

将来のライフプランを考えよう!

他の金利タイプも含めて、不動産購入の資金計画を立てるにときは次のようなことについて考えておかなくてはなりません。

・年収に対する住宅ローンの年間返済額の割合(返済比率)と金利が上昇したときの返済額
・借入期間と繰上返済の可能性
・借入時の年齢と将来の年収や出費の予測
・ボーナス併用払いを利用するかどうか、利用する場合のボーナス時の支払い加算額
・住宅ローン控除の税金の還付額

これらを総合的に検討して変動金利、固定金利、固定期間選択型のどれがいいか検討します。
また、リスクの分散という意味も含めて、固定金利(住宅金融公庫や年金住宅融資)と変動金利や短期間固定選択型の組み合わせで利用できるかどうかも検討してみましょう。

特に、ここで大切なのは長期的な見通しを考えておくことです。長く借りて繰上げ返済で返していく場合と、毎月の返済額を多くして短期間で返していく場合では、おのずと考え方も変わってきます。その他にも不動産を購入しようとする人それぞれに様々な条件が加わってきますので、こたえも様々です。専門家のアドバイスも受けながらより良いプラン作りにトライしましょう。

5回にわたって、お送りしてまいりました「住宅ローン」については今回で一旦、終了させていただきます。
今回の住宅ローンのシリーズでは詳しくお伝えできなかった内容については、また紙面を変えてあらためてお伝えいたします。
住宅ローン選びで大切なのは「情報収集」「自分の将来のライフプラン」「専門家のアドバイス」の3つを総合的に考えながら決めるのが、後悔しない「こつ」です。返済期間は長期にわたり、返済額も大きな金額になりますので、少しでも有利な、そして、より安心できる借り入れを目指しましょう。


編集後記
 英国発の魔法使い冒険物語シリーズの世界的な人気が続いています。日本でもシリーズ4番目の本が予約だけで2万部が売れたとか。
 民族、宗教、国などを超えて、長い間世界の人々に読み継がれていく物語がたくさんありますが、わたしもいまの世界を覆っている暗さを忘れて、久しぶりにファンタジーの世界に浸ってみたいと思います。



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