不動産についてのお役立ち情報
  〜「住宅ローンについて@」〜

(住まいるクラブ 2002年6月号 特集記事)

 6月というこの季節、雨模様で肌寒い日と夏のように暑い日が一進一退に続きます。最近の景気も一進一退というような言葉が目立つようになり、一時期よりも明るさが見えてきたように感じます。梅雨は必ずいつかは明け、真夏の日差しがおとずれますが。日本経済のほうも、お天気のように「からっ!」と真夏の日差しになるように期待したいですね。でも、不景気といっても悪いことばかりではありません。ものの値段が下がったり、利用する側にとってはいいこともたくさんあります。住宅ローンの借入金利が低いというのもそのなかのひとつ。
そこで今回から、シリーズで住宅ローンについてお話をすすめてまいります。昨年は住宅金融公庫についてのトピックスをお伝えいたしましたので、今回は民間の銀行ローンを中心にお送りいたします。不動産の購入にはかかせないお話ですのでお楽しみに。


今月の <注目 NEWS>

「銀行ローン金利が5カ月ぶりにダウン」
  都市銀行の住宅ローンの借入金利は4月まで上昇基調が続いていたが、5月になり、ほぼ5カ月ぶりにいっせいに引き下げられた。各銀行とも0.05ポイント〜0.1ポイント引き下げている。

  固定期間
2年 3年 5年 7年 10年
金利
(下げ幅)
2%
(-0.05)
2.2%
(-0.05)
2.65%
(-0.1)
3.1%
(-0.1)
3.55%
(-0.05)

<トレンド>
住宅金融公庫、年金融資と住宅ローンの金利が下がっているが、しばらくは、上がっても、下がっても小幅な動きが予想されています。


固定期間選択型住宅ローンとは?
固定金利期間を利用者が選択し、固定期間が長いほど借入金利が高いという住宅ローンで、固定期間が終了した時点で、その時の金利情勢をみて、再度、固定にするか変動にするか、利用者が選択するタイプの住宅ローン。



今月のトピックス <住宅ローン その1>
現在の住宅ローン金利は借り得?!
 
  最初に、現在の住宅ローンの金利の水準が、過去に比べてどのくらい低くなっているのかをみてみましょう。参考として、住宅金融公庫の借入金利の推移をグラフにしました。銀行の住宅ローンも同じような動きですのでご覧ください。
 平成2年(1990)9月の5.5%をピークとして3年(1991)8月から下降局面を迎えました。
10年(1998)4月に2%台に入り、10月の2%というのを最低として、現在まで2%台の金利が続いています。ここ数年は、低い水準で推移しているのがお分かりいただけるかと思います。




金利「1%」の違いが156万円の差!

それでは、借入金利がどれくらい返済額に影響するのかを実際の数字を見ながら実感していただきましょう。
借入金額:1000万円
借入金利:2.5%
借入期間:25年(月々均等払)

この場合の支払い金額は
毎月    :44,861円
総支払額:13,458,300円

これが同じ条件で、借入金利が3.5%になると
毎月    :50,062円
総支払額:15,018,600円

金利が1%違う支払額の差は
毎月    :5,201円
総支払額:1,560,300円

借入金額が2000万円になると支払額も差額も倍になります。また、同じ条件でも返済期間が延びると差額が大きくなります。金利が1%違うと、大きな差となって支払額に影響するか実感していただけるかと思います。

今後の金利の動きは?

  今後の金利を考えるためにも、住宅ローンを借りる人に大きな影響を与える借入金利が上下する理由も知っておきましょう。
住宅ローンの金利は景気と密接な関係があります。一般的に景気が悪いとお金を必要とする優良借入先が少なくなり、金融機関にとっての資金の安全な運用先が減ることになります。資金の借手市場になって、借入金利が下がることになります。
  また、国の政策としても、景気が良くないときは、できるだけ多くのお金を市場に送り込み、少しでも多くの人にお金を借りたり使ってもらうために、国が銀行にお金を貸し出すときの金利(公定歩合)を下げます。この結果、金融機関がお金を調達するコストが下がるので、銀行の貸出金利も下がります。こういったことから、通常は景気が悪化すると住宅ローンを含めた借入金利が下がります。
 景気が良くなると、これとまったく逆の現象が現れます。金利が高くても借りたい優良借入先が増え、国は物価が上がり過ぎないように、市場のお金を減らそうとして公定歩合を上げますので、銀行の貸出金利は上昇します。
住宅ローンの金利を考えるということは、今後の景気がどう動くかが大きなポイントのひとつになるのです。


国債の格下げ??に注目?

「景気が良くなる→住宅ローン金利が上がる」
「景気が悪くなる→住宅ローン金利が下がる」
のが基本的な考え方になりますが、最近では
「景気が悪くても→住宅ローン金利が上がる」
場面も考えられるようになりました。そのきっかけは国債の価格が下がることです。

  ご存知のとおり、国債は国が発行する債券です。国が金利を上乗せして借金をするために発行します。この債権は市場で取引されていて、現在のように不景気で安全で高利回りの商品がないと、この国債がわりと高く売れる傾向があります。ごく最近までは、このような状況が続いていました。ただ、これは「日本が発行する債券は絶対安全」ということが前提になっていました。しかし、この日本が発行する国債も他国に比べて、安全度が低いとみられるようになってきたのです。この結果、日本の国債の信用が下がり、これを買う人が減ることによる、値下がりが懸念されるようになりました。

  国債の市場価格が下がると、国債を買って得られる金利の額は変わりませんので、より安いコストでお金を得られることになります。つまり国債の運用利回りが上昇することになります。このことが他の金融商品や債権市場に影響を及ぼし、全体的に長期金利が上昇することになります。
「国債が下がる」→「長期金利が上昇する」→「住宅ローン金利も上がる」構図が成り立つのです。

住宅ローンの金利の仕組みを知っておこう 

 公定歩合から国債まで、だいぶ話がややっこしくなってきましたが、住宅ローンの金利は、景気が良くなると上がり、悪くなると下がる。でも景気が悪くても金利が上がることもあるということをおさえておいてください。
専門家の多くは住宅ローンの金利は、今月の注目ニュースのところでも触れましたが、しばらくは小幅な動きにとどまると予想しています。急激に変化することもないが、上がることも下がることも考えられるということでしょうか。
 金利の上下が支払額に大きく影響すること。金利の動きの仕組みを考えてきましたので、次は昨年の住宅金融公庫のところでも触れた、住宅ローン金利の内容や違いについて復習しましょう。
見た目の金利は低くても、この内容を理解していないと、大きな勘違いを招く結果にもなりかねません。

<固定金利型>
借入の全期間の金利が変わらないので借入当初から最後までの返済額が変わらない。住宅金融公庫が代表的だが最近では、信用金庫を中心に民間金融機関でも固定金利の住宅ローンを扱うところも増えてきている。

<変動金利型>
借入金利が年2回変動します。5年ごとに返済額の見直しが行われ直前5年間の金利が以前より上っていると、返済額が増え、金利が下がっていると返済額も下がる。

<固定期間選択型>
 固定の期間終了時点で変動金利か固定金利を選択。
(今月の注目ニュースに記載)

  住宅ローンを借りるときにはこれらの固定、変動、選択型の3種類のなかから選ぶことになります。見た目だけの金利だと固定金利が高く、変動金利が低いし。選択型は固定期間が長い方が金利が高く設定されています。
一般的には金利が低いときには固定。金利が高いときには変動が有利だとされていますが、これは、借りる人の購入後のライフプランや資金計画によって考え方が違ってきます。それぞれの型にはそれぞれメリットとデメリットがありますので総合的に判断して、自分に合った資金計画をすることが大切です。次回はより良いプランを作るために、各住宅ローンの特徴などに注目していきたいと思います。

  今回は住宅ローン金利を中心にお話をすすめてまいりました。
住宅ローン金利の今後を予測することは、今後の日本経済がどうなっていくかを予想することにつながります。ただこれは、その道のプロが予想しても、そうはっきりと判るわけではありません。まして、住宅ローンは長期間にわたっての返済になりますので、1年後の予測すら難しい現代において何十年間の経済情勢を言い当てることはできません。繰り返しになりますが、大切なのは自分に合ったプランを作ることです。この低金利時代の恩恵をすこしでも多く享受できるようにじっくり考えてみましょう!

編集後記
 阪神タイガースが好調です。プロ野球は星野監督のお陰で盛り上がっているようです。阪神が元気なのを見てると楽しくなりますが、巨人が優勝する年は景気が良くなるとも聞くし。ダイエーが優勝すると近くでセールをやるし。悩ましい!そういえば、サッカーのワールドカップももうすぐですネ
がんばれ!ニッポン!


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