不動産についてのお役立ち情報
  〜「住宅ローンについてB」〜

(住まいるクラブ 2002年8月号 特集記事)

通勤電車の混み具合で、今年も夏休みがやって来たことにふと気が付く時期。もう夏休みの計画は決まりましたか?
最近は混雑時期を避けてお盆の帰省時期をずらしてゆったりと休暇をとられる方も多いようで、以前ほど、道路や飛行機、新幹線が混まなくなったようにも感じます。仕事が忙しくて休みが取れない方にはお気の毒ですが、せっかくの夏休み。いつもの憂さを忘れて思いっきり楽しみたいですね。

 さて、今回は引き続き「住宅ローン」をメインテーマとしてお送りいたします。7月初旬の住宅ローンの借入金利動向としては住宅金融公庫が下がり、銀行が上がりました。ただし、いずれも小幅な動きで、条件が大幅に変わるようなことはありませんでした。
前回は住宅金融公庫と住宅ローンにかかわる諸経費のお話しが中心でしたが、今回からは民間住宅ローンを中心にお話を進めていきたいと思います。住宅ローンの借入金利は今後もしばらくは低水準で推移していくと予想されていますが、こんな時代だからこそ、知って得することもたくさんありますので最後までおつきあいください。

今月の <注目 NEWS>

「景気判断を上方修正へ」

  内閣府は7月11日に公表する7月の月例経済報告で、景気の現状判断を6月より上方修正する方針を決めた。輸出や生産、企業の業況判断などが改善しており、5、6月の「景気は底入れしている」という表現から、さらに強める。同時に、株価の下落やドル安など米国経済の先行き懸念が広まっているため、国内景気の先行きへのリスク要因はこれまでより強調する。
内閣府は5月の月例経済報告で「景気は、依然厳しい状況にあるが、底入れしている」として、事実上、景気の底入れ宣言をした後、6月は景気判断を据え置いた。7月の判断では、雇用情勢に改善が見られないため「厳しい状況」という認識は残すものの、「底入れ」から「一部で底離れの動きも見られる」などへの修正を検討している。


<トレンド>
  住宅ローンの金利は経済状況と密接にかかわっています。経済が上向くと借入金利が上がる仕組みを以前にもお話しさせていただきました。今回のニュースは経済が少し上向いていると判断する材料が若干増えてきたということでしょう。ただし、依然としてマイナス要因も消えているわけではないようですので、借入金利が一気に上昇するようなことも予想されていません。


今月のトピックス <住宅ローン その3>
住宅ローンをうまく使って、より良い住み替え。
 
現在、民間で取り扱っているローンは大きく分けると「変動金利型」「固定金利型」「固定期間選択型」の3種類です。それぞれの簡単な特徴については6月号でご説明しましたが、今回からはそれぞれについてもう少し詳しく考えていきたいと思います。まずは今回、「変動金利型」からスタートしてまいります。

変動金利型ローン
変動金利型ローンは一定期間ごとに「適用金利」が見直されるタイプの住宅ローンです。したがって借りたときの金利が最後までは続きません。
民間住宅ローンの場合は一般的(金融機関によってことなる場合もあります)に年2回、10月と4月の第1営業日の短期プライムレート(下記をご参照ください)を規準として見直され、その年の前半と後半に分けて適用金利が設定されます。
ただし、適用金利は頻繁に見直されますが、毎回の返済額は5年単位でしか変わりません。6年目以降の5年間の毎回の返済額は直前の返済額の25%を上限としてその時点で再計算されます。
 このような仕組みなので次のような特徴があります。

金利が高いときに借りた場合
最初の返済額が高いので苦労するものの、金利低下にともなって予想以上にローン残高が減ったり、6年目以降の返済額が少なくなったりと金利が下がれば下がるほど楽になります。

金利が低いときに借りた場合

 最初は返済負担が少なくて楽ですが、その後の金利上昇局面では、ローン残高がなかなか減らなくなります。この結果、直前の1.25倍までという上限が設定されているものの、次の5年間の返済額はアップし、最悪の場合、そのときの返済額よりも、本来払わなければならない金利の方が多くなるという「未払い利息」が発生する可能性もあります。

短期プライムレートとは?

正確には新短期プライムレート。「短プラ」と略されることが多い。銀行が優良企業に1年未満で貸し出す際の最優遇金利。金利は1年物の定期預金と3ヶ月物の譲渡性預金、2ヶ月手形の各金利比率を元に計算される。各金融機関によって若干の差がある。

 現在は低金利時代。変動金利型のリスクはなんといっても前記のように、金利上昇局面がやってきて返済額が増えて負担が重くなることです。今のような経済状況が続くとは考えられず、将来的には必ず借入金利が徐々に上がるときが来ると考えられているので現在ではリスクの高い型ということもできます。

変動金利型住宅ローンのメリット

変動金利型住宅ローンのこのような特徴から、現在のような低金利の時代は、固定金利型の住宅ローンを借りた方が有利と言われていまいす。
固定金利型であれば借り入れたときの金利が最後まで変わらないので、将来的に経済状況が変わって市場金利が上昇しても支払額にはまったく影響がないからです。
ここまでにいくつか変動金利型住宅ローンのリスクを強調してきましたが、それでは変動金利型を今現在は使わない方がいのかというとそうでもありません。

  変動金利型住宅ローンのメリットもあります。
現在のような低金利の時代では、変動金利型は固定金利型に比較すると借入金利が低く設定されています。したがって、最初の返済額を固定金利に比較して低く抑えることが可能です。
また、返済額が抑えられるということにより借入額も固定金利型で借りるよりも増やすことも可能です。
リスクを強調したのも、リスクに充分配慮したうえでこれらのメリットを活かした借入計画や返済計画を立てればよりよいライフプランに役立てることも充分考えられるからです。

リスクを考えた資金計画

では、変動金利型のリスクに供える方法を考えてみましょう。
まず、最初に@「固定金利型住宅ローンとの組み合わせ」が可能かどうか検討してみましょう。
固定金利型の代表選手は住宅金融公庫と年金住宅融資です。これらが利用できる不動産を購入するのであれば、主要部分を固定金利でまかない、足らない分を変動金利型にすれば、全体の返済額に占める変動部分が少なくなりますので、金利が上昇しても全体を変動金利型にするよりも影響が少なくてすみます。

次に考えられるのはA「金利の上昇を加味した計画」を立てることです。
地域、条件や不動産によっては固定金利型を利用できない場合も考えられますので、借入全体を変動金利型でというケースもあるかもしれません。そんなときは、あらかじめ金利が上昇したらどのくらい返済額が増えるのかを確認してから、返済計画を立てておけば安心です。

例えば、現在の変動金利だと2.375%ですが、これを4%程度に上がった場合を考えておくとよいでしょう。
30年返済 2000万円の借入 
借入金利 2.375%の場合
 月々 77,720円
借入金利 4.000%の場合
 月々 95,480円(約1.23倍)
借入金額が大きくなって、変動幅が大きくなる過ぎる場合には、固定期間選択型や最近では民間金融機関でも用意されるようになった長期固定金利型住宅ローンを検討してもるのもよろしいかと思います。

 それと、ボーナス併用払いを利用する場合にはB「ボーナス月の支払額がボーナス支給額の半分を超えない」ように返済計画を立てておきましょう。ボーナス月は毎月の返済額よりも当然多くの金額を返済することになりますので、それだけ金利上昇による返済額アップの影響を受け安いので、ひとつの目安として考えておいた方がいいでしょう。

繰上げ返済のことも考えておきましょう!

住宅ローンの繰上げ返済には2つの方法があります。一つは現在の返済額はそのままにして、残りの返済期間を短くする「期間短縮型」と、残りの返済期間は変更せずに、毎回の返済額を軽減する「返済額軽減型」です。
これは借りてからのお話なので、見逃しがちですが、当初の返済額を抑えるメリットをより多く享受できるので、少なくとも借入予定先の金融機関の繰り上げ返済の以下の条件は確認しておくことが大切です。

@ 繰上げ返済額の最低額。
繰上げ返済は、いくらからでもできるわけではありません。通常は、50万円、100万円といった最低額が決められています。

A 繰上げ返済手数料。
繰上げ返済を行う場合には、ローンの種類や繰上げ返済のパターンによっても異なりますが、多くの場合手数料が必要となります。(数千円程度が多い)

金融機関やローンの種類によっては、繰上げ返済ができなかったり、回数に制限がある場合もあります。
 ある程度余裕を持った計画で、金利上昇リスクに備えるとともに、将来の資金を有効に活用するためにも大切なことです。

今回は「変動金利型住宅ローン」について考えてまいりました。不動産購入が成功するか否かは、資金計画がしっかりしているかにかかっているといってもいいでしょう。次回も引き続き「住宅ローン」のお話です。お楽しみに!

編集後記
 住まいるクラブを発行し始めて1年が経過しました。1年前は住宅金融公庫がなくなるかどうかという話が注目されていたのを思い出します。音楽、ゲーム、自動車........  このごろ、何の業界でも変化のスピードが速まっているのをつくづく感じます。これからも、その時々の新しい、情報をお届けするよう心がけていきたいと思います。


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