不動産についてのお役立ち情報
  〜「住宅ローンについてC」〜

(住まいるクラブ 2002年9月号 特集記事)

暑い、暑い夏がようやく終わろうとしています。虫の声、夜の長さやスーパーに並ぶ栗、松茸などで秋がやってきたことが感じられますが、まわりはまだまだ夏の余韻を漂わせたままです。
温暖化のせいか最近では、夏から秋への微妙な季節の移り変わりを見逃してしまいそうですが、やはり一年でも一番過ごしやすい季節。食べ物、旅行、スポーツなど思いきり楽しみたいものです。

  さて、今回も「住宅ローン」をメインテーマとしてお送りいたします。景気動向の上方修正のニュースがあったり、景気の底打ちではないかといわれておりましたが、米国の株価が下がるのにつれて日本の株式市場も下がり、おまけに円高も心配されているなど景気はまたまた一進一退。先が見えない状況が続きそうです。でも、これから住宅を購入しようという方、現在住宅ローン
を変動金利で返済中の方にとってはこのままの状況が続いて欲しいところでしょうか。そこで、今回は現在の状況で大きなメリットを享受できそうな固定金利型の住宅ローンのお話を中心にお送りいたします。




今月の <注目 NEWS>

「平均路線価10年連続で下落」

  国税庁は8月2日、相続税や贈与税の算出の根拠となる2002年分の路線価を全国の国税庁、税務署で公表しました。全国40万地点の路線化の平均は前年より6.5%引き下げられ、10年連続で下落。


<トレンド>
 下落幅が縮小したのは東京、千葉、埼玉、大阪など10都府県で前年から半減。状況としては都市部を中心とした上昇もしくは下落幅が縮小したエリアと地方を中心とした下落幅が引き続き拡大するエリアで、さらに二極化が進んだと言えます。


今月のトピックス <住宅ローン その4>
住宅ローンをうまく使って、より良い住み替え。
 
前回は民間金融機関で取り扱っている住宅ローンの「変動金利型」「固定金利型」「固定期間選択型」の3種類のうちの「変動金利型」についてお送りいたしました。そして今回は「固定金利型」を中心にお話を進めてまいります。

固定金利型ローンの特徴
  固定金利型ローンとは契約当初に決めたローンの金利が、全返済期間にわたって適用されるタイプのローンのことです。金利が変わらないということは、最初から最後まで返済額も当初の計画どおり変わらないということでもあります。
 これが固定金利の最大の特徴です。よって、金利の高い時期に借りると将来住宅ローンの借入金利が下がってもこの利益を享受できないというデメリットもあります。

 しかし、現在は経済状況がよくない=借入金利は低水準  ですので、将来的には借入金利は上昇すると考えられているため、今のような状況では、このリスクを回避するには固定金利型住宅ローンが有利とされています。
今月のトップニュースにもあるように国内の地価は下がり傾向にあります。土地の価格が下がり、住宅ローンの借入金利が下がるということに注目すると、過去の条件に比較して今が最大の不動産の購入チャンスであるといわれている所以でもあります。

 固定金利型住ローンの代表的なものとしては公的融資の住宅金融公庫融資、年金融資がこれにあたります。公庫融資と年金融資の一部は段階金利制で、11年目以降に金利が変わる場合もありますが、借りた時に金利が決められているため、やはり「固定金利型」の分類となります。

公的融資の利用率が下がっている?!

  今年の6月下中に国土交通省が発表した「平成13年度住宅市場動向調査」によると、注文住宅の資金内訳のうち公的融資利用率が5%近く下がって、民間金融機関の利用率が4%近く上がっています。
分譲住宅の公的融資の利用率は平成12年度の調査が行われていないため比較はできませんが注文住宅と同じように公的融資の利用率は下がっていると思われます。
公庫の借入条件が年々厳しくなっていることが原因で、平成14年度では年収800万円を超える人は購入価格の5割までしか借りられないなど昨年度よりもだいぶ厳しくなっているため、公的融資の利用率は今後も減少すると予想されています。

民間金融機関でも借りられる
  公的融資の利用率が下がるもうひとつの理由として。昨年から民間金融機関のいくつかが固定金利型の住宅ローンを商品として扱い始めたことをあげることができます。
 固定型金利には利用する側にとっては金利の低いううちに借りておけば、将来金利があがったとしても安心です。しかし、これを金融機関側から考えると、低い金利でかつ、固定金利でお金を貸してしまうと、将来、お金を集めるときの金利が高くなると利益幅が少なくなるという大きなリスクを背負うことになります。

 こうした理由から固定期間が短い融資は金利が低く設定されていて、固定期間が長ければ長いほど金利上昇のリスクが高くなるので、金利が高く設定されているわけです。過去にはこのリスクを負う金融機関は公的機関が中心だったのですが、昨年の住宅金融公庫の廃止議論とあいまって、金融の自由化などの追い風を受けながら、昨年から少しずつ、固定金利型住宅ローンを取り扱う民間金融機関が増えてきました。

公庫の役割も終わりに近い?

  以前は、住宅ローンや預金金利などはどこの金融機関へ行っても同じでした。まして、銀行がつぶれるなんてことは考えもしませんでしたが、今では金融機関はその生き残りをかけて、同業他社との差別化をはかるためにも、リスクの高い商品を取り扱うようになってきています。住宅ローンは金融機関にとっては企業に対する融資よりも比較的安全で利幅が高いとされていますが、当然、条件の良い金融機関に利用申し込みが増えるので、それを指を加えて待っているわけにはいかなくなってきています。この動きは今後もますます加速されていき、あとの課題は、多くの人がより安心して借りられるシステムがつくれるかどうかにかかっています。

 固定金利型といっても、借りやすさから考えるとそんなに収入が高くない人にとってはまだ住宅金融公庫の方に歩があります。このあたりを解決できるシステムができれば固定金利型の住宅ローンは、ゆくゆくは民間金融機関が主流となることでしょう。

条件いろいろで迷ってしまいそう!

それでは現在(8月)、固定金利型住宅ローンを扱っている金融機関を簡単に確認しておきます。詳細については述べませんので、さらに詳しい情報を知りたい方は各金融機関にお問い合わせいただくか、一番は担当の不動産営業に何でも聞いてしまいましょう。わからないことでもあなたに代わって調べて知らせてくれるはずです。

 固定金利を扱っている金融機関は大きく分けると三つです。都市銀行系、信用金庫系と住宅ローン専門会社です。
 都市銀行はこの三つのなかでは後発組にはいります。UFJや最近では東京三菱銀行が取り扱いを始めましたが数はまだ多くありません、主流はまだ固定期間選択型住宅ローンのようです。

  信用金庫は信用金庫の中央銀行である信金中央金庫が2段階金利の固定型住宅ローンを扱っていますので多くの信用金庫では利用可能になっています。(一部取り扱わない信用金庫もあります。)また、城南信用金庫はいち早く独自の条件を設定して2段階金利の固定金利型住宅ローンを扱っています。

 最後は住宅ローン専門会社ですが、これは今のところはソフトバンク系の会社グッドローンが扱っています。当初は新築の限られた不動産購入にしか利用できませんでしたが、7月下旬から他の新築や中古等にも利用できるようになると発表されました。
 これらの融資を検討するにあたって注意が必要なのは、それぞれの金融機関によってさまざまな優遇や違いがあるということです。期間限定で金利が優遇されたり、保証料無し、事務手数料が必要、給料や公共料金の引き落とし口座があると金利が優遇されたりと各金融機関によって違います。あわてずに確認して自分に合った住宅ローンを選択するようにしましょう。

 固定金利型住宅ローンについて考えてまいりました。前回の変動金利型はどこの金融機関を利用しても、借り入れ金利についてはほぼ同条件で、あまり代わり映えはしません。ところが今回の固定金利については扱っているところといないところ、扱っていても条件面での違いもたくさんあります。ときには専門家のアドバイスを受けることも今後はさらに大切になってくる時代ではないでしょうか。


編集後記
 日本の夏はこんなに暑かったでしょうか。ある南の島国では地球温暖化のために海面が上昇して将来的に島がなくなってしまう危険があるので島民(国民)が少しずつ非難を始めたというニュースを耳にしました。
 ここまで暑いと本当に心配になってしまいます。これからも残暑は続きますが、勇気をもって部屋のクーラーの温度を上げようかとも思います。




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