〜「税制改正に注目!」〜 (住まいるクラブ 2003年2月号 特集記事) まだまだ寒さが厳しく、外出するときにはコートが手放せません。でも、暦のうえでは季節の分かれ目「立春」がやってきます。そして、「立春」の前日は「節分」。この「節分」の本来の意味は、「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日の季節の変わり目のことを指しますが、今日では「節分」というと「立春」の前日のことをいうようになっています。 さて、「節分」といえば「豆まき」。全国でもいろいろな行事を行う風習がありますが、これはもともと旧暦で「立春」がお正月で「節分」が大晦日にあたり、新年を迎える厄払いの行事として始まったものだそうです。「鬼は外、福は内」の掛け声の後に、年の数かひとつ多い数だけ豆を食べるのも、昔は誕生日ではなく、元旦に年をとったことに由来します。 また、節分の夜には、「いわし」の頭を刺したヒイラギの枝を家の入り口にかざしておく習慣もあります。これは「いわし」の悪臭に鬼が逃げ、近寄ってきてもヒイラギのトゲが痛くて中に入ってこられないと考えられていたからです。 今回は与党の税制改正大綱の内容を中心にお送りいたします。かなり大胆な改正ですので、不動産市況にとって大きな「福」か鬼を寄せ付けない「いわし」や「ヒイラギ」となるのか期待したいものです。 今月の <注目 NEWS> 「住宅金融公庫の来年度改正案固まる」 住宅金融公庫が来年度予算案を発表。内容は将来の廃止をふまえたうえで、中堅所得者の住宅取得を支援し、良質な住宅ストック形成を図るため、融資の重点化・スリム化、民間住宅ローン債権の証券化支援事業などの改革を推進するとされています。 主な改正点 ◎事業計画:平成14年度 50万戸→平成15年度 37万戸 ◎融資内容:特別加算の減額 マイホーム新築(土地購入費なし)等 [現行] 250万円/戸 → [改正]150万円/戸 マンション購入等 [現行] 400万円/戸 → [改正]200万円/戸 :マンションの立替事業に対する融資条件の緩和 :マンション購入の住宅債券積立額引き下げ(50万円) ◎証券化支援事業(買取型)の創設 民間の住宅ローン債券を公庫が買い取り、住宅金融公庫債券を発行し投資家に販売する。金利は全期間固定型で、公庫の基準を満たす自己居住用の新築住宅が対象。 <トレンド> 融資条件に大きな変更はありませんが、例年どおり融資額が減額されます。 注目は、今年から始まる公庫の住宅ローンの証券化。平成15年度の後半からスタートの予定で、買取戸数は10,000戸、金額は2,000億円の予定。 今まで住宅金融公庫が担ってきた、全期間固定型のローンを民間に移行させていこうとする動きの一環。今回は上記のような買取型で保証型(住宅ローンを借りる人を銀行に対して公庫が保証する型)は平成16年度以降。本格的には平成16年度がスタートの年となりそう。 景気拡大策のひとつとして大きな議論のまととなっていた税制改正も、昨年の暮れに与党3党の税制改正大綱が決定し、その内容が公表されました。今はあくまでも改正案で、実際に施行されるのは国会の審議を経てからということになりますが、改正案がそのまま国会を通過することになる可能性が大きいですし、贈与税の非課税枠拡大というビックな改正もあります。そこで、今回はこの改正案をできるだけ分かりやすく解説していきたいと思います。 住宅・土地税制の主な改正は3つ 1年間待たされた!という感想をお持ちの方も多いのではないでしょうか。贈与税の非課税枠の拡大を中心とした議論にやっとひとつの決着がつきました。待った甲斐があったのか、一番大きかった国土交通省案の3,000万円を超える3,500万円の非課税枠というおまけつき。なんと言っても、今回の目玉はこの「非課税枠3,500万円」ですが。その他に「土地・建物の流通課税の税率引き下げ」と「住宅ローン控除の適用条件緩和」という2本が加わって、住宅関連では3本柱の改正となりました。相続税、贈与税の税率の軽減とあいまって、将来にわたる財産形成や節税に影響を与えるものですので、不動産を持っている方も、これからの人もポイントだけは押さえておきましょう。 贈与税の非課税枠、最大で「3,500万円!!」 現在の「住宅取得資金贈与」は550万円までは非課税、1,500万円までは優遇されるというものです。これが、自分が住むための住宅を購入するときには将来発生する相続時には相続財産として加えることを条件に3,500万円までは贈与税がかからなくなるというもの。その内容を少し細かく確認してみます。
簡単にいうと2,500万円まで、目的、内容を問わず年齢をクリアしていれば非課税。住宅取得資金については3,500万円までは非課税で物件制限はあるが年齢制限はなしと考えておきましょう。 ちなみに、この非課税枠は1月1日以降の贈与に摘要されることになっていますので、急ぎの方もご安心を。 相続財産を把握しておきましょう! 今回の贈与税の非課税枠拡大のポイントは相続税との一体化。 今は課税されなくても相続時に課税される場合もあります。そこで、今回の非課税枠をどれだけ活用がするかは、贈与者の相続財産全体を把握しておくことが大切になります。 ただ、税法上の相続財産を計算する場合には基礎控除、配偶者控除、居住用不動産の評価額の減額計算、生命保険控除、などの他にもたくさんの控除があって、実際に相続税を納付する義務がある方は全体の10%にも満たないと言われています。心配な方は、今回のような機会に一度試算しておくといいでしょう。 勿論、専門の税理士のアドバイスを受けながらの無料相談を行っていますので、お気軽にご相談ください。 登録免許税の税率引き下げ 不動産を自分の名義にするときに課税される登録免許税の税率が下がります。時限措置として平成18年3月31日までは税率が半分になります。(評価額=固定資産税評価額)
一定条件を満たす自己居住用建物については今まで通りです。また、不動産取得税も現行と大きな差はありません。いずれも、平成15年4月1日以降の取引から摘要になりますので、取引の予定がある方は営業担当と相談しながら日程を考えましょう。 転勤族に朗報!!「住宅ローン控除の適用緩和」 現行の住宅ローン控除制度では転勤などで、住まなくなった年からは適用が打ち切られ、住宅ローン控除の摘要年内にもどってきても再開されず、転勤族に不利と言われていました。これが、改正後は控除期間中に戻れば再び適用されるようになりました。これも、平成15年4月1日以降に住まなくなった人に摘要になりますのでご注意ください。 以上が住宅税制改正に関する3本柱です。その他にも「不動産証券化促進」「再生賃貸住宅供給促進」「マンション立替促進」など不動産取引に関連する税制改正などもありますが、今回は特に、一般住宅にかかる税制改正点に注目してまいりました。これを機に、より充実したライフプランをもう一度考えてみましょう! 不動産の価格は依然として下降ぎみですが、ここ2、3年の不動産市況の傾向として、低金利時代を反映して住宅ローンの返済額と家賃を比較して購入に踏み切る一時取得者層を中心に、取引件数は活況を呈していました。ただ、それも最近では息切れ傾向がみえてきて、不動産取引状況の代表的な指標でもある、新築マンションの契約率も弱含みになっていました。日本の経済情勢もデフレの止む気配も感じられないなか、今回の税制改正が日本経済の追い風になるといいですね。 編集後記 バレンタインデーがやってきます。最近は、勤務先での「義理チョコ」の数は減っている傾向にあるのでしょうか? 逆に、不況なんてどこ吹く風、メリハリをつけて本命には「一点豪華主義」が流行? たくさん送る人、ちょっと送る人、送らない人、たくさんもらう人、ちょっともらう人、もらわない人...... 悲喜こもごもの季節ですね |