不動産についてのお役立ち情報
  
(住まいるクラブ 2004年11月号)


 そろそろ落ち葉の絨毯が歩道に敷き詰められる頃、あちこちから冬の便りが届き、本格的な冬の到来までもう少し。まだまだ体が寒さに慣れていないせいか、夜の駅のホームに佇んでいると、寒さがぐっと身にしみます。
そんな夜には、1分でも2分でも早く家に帰って、風呂にでもつかりながら温まって、気持ち良く寝たいものです。
そして、体の芯から温めてくれるものには、甘酒、粕汁、鍋料理などこの季節ならではのお料理もたくさんあります。そろそろ出回りはじめた新酒の酒粕と砂糖、ショウガ汁も少し加えて甘酒を飲めば体の芯から温まりますし、旬の野菜と鮭や豚肉を味噌と酒粕で煮た粕汁にもファンが多いのではないでしょうか。

冬のお料理の定番。鍋料理も忘れてはいけません。牡蠣、水炊き、どて、ふぐ、石狩、ちゃんこなどなど!鍋の種類だけでもたくさんあって、考えただけでも体がほかほかしてきそうです。
体が温まるお料理を寒い夜に自分の好みの味で楽しむのは今の季節ならではの贅沢かもしれません。
今年も残すところ2ヶ月を切りました、年末も押し迫ってきた寒い夜のおともに今月もお送りいたします。



今月の <注目 NEWS>

<平成15年住宅・土地統計調査から>

  今月のトピックスは最近の住宅事情を探っていきたいと思います。昨年総務省が行った「平成15年住宅・土地統計調査」(今月の「ことば」を参考にしてください。)の結果が公表され始めましたので、その数字を元にしながら、日本の住宅事情の変化と合わせてお送りいたします。
ということで! 今月は特集号いうことで「今月の注目ニュース」「なんでもQ&A」「あなたはどっち?」はお休みさせていただきます。

昭和48年までは住宅不足!?
今となっては信じ難いことのようですが、昭和33年の調査で住宅数の増加より世帯数の増加が上回り、住宅の不足解消が課題となって以来、昭和48年に世帯数と住宅数が同レベルになるまで、15年間は世帯数の方が住宅よりも多いという状況が続きました。
住宅数より世帯数が多かったということは2世帯住宅、3世帯住宅が当たり前の時代だったということでしょうか?

持ち家住宅率は61.2%
持ち家住宅比率は調査実施以来年々上昇し続けています。平成10年と比べても0.9ポイントの上昇です。
ただし、三大都市圏の持ち家住宅比率は56.6%となっており、三大都市圏以外の地域の66.1%に比べると低い数字になっています。地価が高いエリアでは不動産の価格も高いので持ち家住宅比率が下がるのはしょうがない?
ちなみに「三大都市圏」とは、さいたま市、千葉市、東京23区、横浜市、川崎市、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市とこれらの周辺市町村ですって!誰が決めたんですかね?(-_-;)

三大都市圏は住みにくい?
居住用専用に建築された「専用住宅」の1住宅あたりの延べ面積は全国平均だと93.85uなのに対して、三大都市圏では76.40uと全国平均の8割程度の広さになっています。持ち家住宅比率も低く、たとえ持ち家を手に入れたとしても広さはそうでもない住宅環境。おまけに通勤時間も三大都市圏以外と比べると確実に長いはず!それでもやっぱり都心は魅力なのでしょうか?

やはり狭い借家の面積
専用住宅の面積の平均は持ち家で123.03uなのに対して借家では46.91uと持ち家の半分以下の数字になっています。この数字は日本の住宅事情をよくあらわすものとして、機会あるごとに指摘されています。平均値ですのであくまでも参考ですが、広くすると家賃が高くなって、入居する人もみつからなくなるということなのでしょうか。そう考えると、日本の賃貸住宅の家賃は高い?

住宅の4割が共同住宅
住宅に占める共同住宅の数は年々その割合が増える一方で全国平均で住宅の40%までに増加しました。そのなかでも、平成10年の数字に比較すると6階以上が35.0%増加、11階以上が37.8%増過とマンションの高層化が進んでいます。皆様の周りにも、にょきにょきと高層マンションが見え始めていることでしょう!

一戸建率1位の都道府県は?
それでは、都道府県別にみて一戸建て住宅が一番多いのはどこの県でしょうか? 答えは「富山県」です。その比率は82.4%と高い数字となっています。2位は秋田県、3位は山形県と東北エリアがその上位を占めています。
ちなみに、長屋建が多いのは大阪府の10.3%が1位。共同住宅はもちろんダントツの1位で東京都の66.6%%です。全国平均が4割ですからその人口集中には驚かされますね。

減り続ける木造住宅
住宅を構造別にみると、木造は年々低下し、逆に鉄骨・鉄筋コンクリートなどの非木造は一貫して増加しています。昭和48年には、木造が住宅全体の約9割を占めていましたが、平成10年には6割台まで低下しています。
これは共同住宅が増えていることが大きな原因と考えられますが、一般住宅でも木造以外が選ばれる傾向が増えているとも言えます。木造住宅にしても瓦葺きの純和風家屋が建つのを見る機会もめっきり減ってきたようにも思えます。

約半数が築20年以上?
住宅の建築時期に注目してみると、昭和55年以前に建築されたものが約半数近くを占めています。詳しい数字はまだ発表されていませんが、当たり前のことのようですが、住宅も年々古くなっている戸数が増え続けるということです。
そう言えば、古くなったマンションを建て替えやすくする法律はできたものの、現実に建て替え事業に着手したというニュースはあまり聞きませんね。

進む高齢化
これも誰が決めたかわかりませんが、65歳以上を高齢者として、高齢者の住む住宅をみてみると。持ち家では83.9%の住宅に高齢者が住んでいるという結果が出ました。持ち家住宅比率も64.8%と高いものになっています。また、この高齢者が住んでいる住宅の建て方では、一戸建てが80.5%と割合が高くなっています。
この結果から考えると。高齢者は持ち家の人が多く、持ち家でもその8割の人が一戸建に住んでいるということです。
まだ少ない?高齢者への配慮

● 手すりがある …30.4%
● またぎやすい浴槽の高さ …17.7%
● 廊下などで車椅子が通行可能 …12.7%
● 段差のない屋内 …13.1%
● 道路から玄関まで車椅子で通行可能 …9.4%

世帯のなかに一人でも高齢者がいれば高齢者等に配慮した住宅設備を必要としますが、持ち家の8割に高齢者が住んでいるのに、やはりまだまだその設備は十分だとは言えません。

進む高齢化等への配慮
ところが!建築業界でも人に優しい住宅作りというのが浸透してきたのか、平成13年以降に建築された建物では以下のような結果になっています。
● 手すりがある …55.8%
● またぎやすい浴槽の高さ …42.1%
● 廊下などで車椅子が通行可能 …32.9%
● 段差のない屋内 …53.8%
● 道路から玄関まで車椅子で通行可能 …19.5%

ユニバーサルデザインが住宅にも急速に普及しつつあることが判ります。逆に言うと、これらは高齢者等に配慮した住宅でないと、一般の人にも不便に感じる人が増えるということかもしれません。
共同住宅でも配慮が進む
共同住宅の敷地に接している道路から共同住宅内の各住宅の入り口まで介助なしに車椅子で通行できるなどの条件を満たした「高齢者対応型共同住宅」に住んでいる割合は、共同住宅に居住する高齢者の世帯で19.9%。これもここ最近急速に広まっているようです。役所、駅、スーパー、公園など皆さんが生活するなかでもその普及を感じていることでしょう。これは高齢者ばかりではなく、小さなお子様を育てる方にとっても喜ばしいことですね。

セカンドハウス所有は何%?
現住居以外の住宅を所有している世帯は7.7%。
いつかは自分の好きな場所にセカンドハウスを持ちたいと考えている方も多いと思います。地価が下がってきたとは言え、まだまだ遠い夢なのでしょうか?

土地・住宅統計調査の結果から最近の住宅事情を垣間見てきました。高齢化と都市圏集中が感じとれますが、これからは高速通信による情報化がさらに進んで、高齢化や都市の分散化が進んでいくのでしょうか。
30年前の頃と比べた今と、30年後に比べた今と、どちらの変化が激しいのでしょうか。いずれにしてもより良い変化を期待したいものです。
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不動産のことば 《住宅・土地統計調査

今月のトピックスで取り上げた「住宅・土地統計調査」は昭和23年から5年ごとに行われています。今回の調査は平成15年10月1日現在におけるもので、その12回目です。
調査は全国に約5,000万世帯あるうちで、寮、寄宿舎、旅館、宿泊所などはもとより、工場や会社でも人が住んでいる場合は全て対象になります。また、空き家であったり建築中の住宅も対象になり、そのなかから、くじ引きのような方法で選ばれた、なんと約400万世帯が対象です。

調査は総務省統計局が中心となって都道府県、市区町村と協力しながら、調査世帯に調査指導員の指導を受けた調査員が実際に訪問して全国的に行う大規模な調査です。
調査結果については、市町村、都道府県で審査が行われた後に統計センターというところで、まとめられたものが調査から1年近く経過した、翌年の夏から順次公表されます。
実は国土交通省でも平成15年12月1日現在で「住宅需要実態調査」というものを行っています。これも全国約10万世帯を対象にした大規模な調査です。

総務省と国土交通省、これらの二つの調査をあわせてみると、戦後復興から、現在までの日本における住宅事情の変わりようと、これらの住宅事情が垣間見えて興味深いものです。そこには、質より量の時代から、より質や個性、各世帯の希望を反映した住宅需要へ変化してきたことがはっきりと現れています。



編集後記
 去年はインフルエンザの予防注射が一時期足らなくなってしまったということでした。人間のインフルエンザの流行も恐ろしいものですが、鳥インフルエンザが流行して逮捕者が出るなど、大きな騒動になったのも記憶に新しい事です。アメリカの牛肉輸入の問題も解決していないようですし。今年の冬は、そちらの話は静かにすぎるのを願うばかりです。