不動産についてのお役立ち情報
  
(住まいるクラブ 2004年5月号)


 青い空に風をはらみつつ泳ぐ鯉のぼりが似合う季節になりました。鯉はもともと、竜門を昇ると化身して竜になるという中国の伝説から日本でも縁起のいい出世魚とされていました。そして、端午の節句には男子の健やかな成長と立身出世を願う気持ちを託して、鯉のぼりを竿先に泳がせるようになったようです。
最近では、民家の庭の鯉のぼりを目にすることはだいぶ少なくなりました。その分、観光客を集める目玉のひとつとして、たくさんの鯉のぼりを泳がせて、訪れる人の目を楽しませてくれる場所も増えてきているようです。
一方、室内の五月人形を飾る風景は今でも多くの家庭で健在のようです。ひな祭りが終わった頃には、デパートの特設会場で様々なサイズのものが展示されていて、真剣なまなざしで選んでいる、おじいさんやおばあさん、お父さんやお母さんたちの姿を目にします。
土地の価格の高騰や住宅地の開発の増加につれて目にすることが少なくなってきた鯉のぼり。部屋の広さに合った大きさの五月人形などを見ても、日本の住宅事情が垣間見えて興味深いものがありますね。それでは、今月も5月の風のように爽やかにお送りいたします。







今月の <注目 NEWS>

「公示地価の住宅地6年ぶり下落幅縮小」

 国土交通省が発表した今年1月1日時点の公示地価によると、住宅地が全国平均でマイナス5.7%と13年連続で下落した。ただ、下落幅をみると、商業地では2年連続、住宅地では6年振りに下落幅が縮小した。
東京23区内に限ると、住宅地で上昇または横ばいとなった地点が141ヵ所と2003年より33ヵ所増えた。



 
<トレンド>

地価の下落幅が縮小している傾向が顕著にあらわれています。これらの要因としては

@住宅地を必要とする人が地価下落により、土地を購入しやすくなったこと。
A再開発により利便性が良くなった地域が広まったこと。
Bマンションなどの住宅需要の都心回帰。
C不動産証券化にともなう商業目的の不動産投資が地価を押し上げた。
などの理由が挙げられます。

そして今年も、郊外の通勤遠隔地の交通利便性が劣る地点では大きな下落が続く一方、利便性の高い地点では下落幅が小さいという、地価の二極化が進んでいます。
それではここで、公示地価が13年連続下落ということから、少し想像していただきたいのが、13年前に「1億円」の価値の土地が毎年平均7%ずつその価値を下げてきたとしたら、13年後の今。その土地の価値はいくらになっているかということです。

答えは「約3890万円」です。つまりバブル崩壊後に平均7%ずつ土地が下がってきたエリアでは、土地の値段が当時の4割弱の水準になったということです。この数字をみると、バブル当時、いかに地価が高かったのかということと、この13年間でかなり地価が下がってきたということを実感していただけると思います。
土地の価格がゼロになることはありません。便利な場所を中心に値上がりの兆しを見せている場所も増えています。そろそろ底に近づいてきたのでしょうか。






何でもQ&A

Q.マイホームを建てるつもりで土地を購入しようと考えています。ある人に聞いたところ、土地の面積を実際に測ってみると、聞いていた面積より、多かったり少なかったりすることがよくあると聞きました。そんなことがあるのでしょうか?

A.土地の面積は、広告に表示されている面積と実際に測った面積とで差が出るケースはたくさんあります。

 お肉屋さんで300gのお肉を買ってきて、料理をしようと思って計ってみたら、実際には280gしかなかったら、お店へ駆けつけるかどうかは別として、誰もが不快に思うことは間違いありません。ところが、広告に表示されている土地の面積は、信じられないことのようですが、違うことがよくあります。これは面積表示の表示方法や決まりによって違ってくるもので、消費者を欺こうとするものではありません。


公簿面積?
 土地の面積や所有者などは登記簿というものを見ると判るようになっています。登記簿とは、その不動産がどんなもので、所有者が誰で、どんな権利がついているかなどが記録されているもで、誰でも有料で見ることができます。
土地、建物、マンションの登記簿には必ず面積が記載されています。この面積のことを公の機関の記録にあることから「公簿面積」といいます。そして、土地の場合にはこの公簿面積を広告に表示することがほとんどです。



土地公簿面積はいい加減?
 実は、この土地の公簿面積はあまり正確でないこともたくさんあります。今でこそ、測量技術が進歩してミリ単位で測量することが可能になりましたが、大昔は土地の面積を縄で測っていたのですから、しょうがないことと言えるかもしれません。そして、この登記簿に記載された面積の誤差を全て修正するわけにもいきませんので、公簿面積は実際の面積とは違うことが多いものとして理解しておいた方がいいでしょう。


地積測量図
   それでは、いったい正確な土地の面積はどうやって知ることができるのでしょうか。これは、資格を持った人が作成した地積測量図が信用できる資料となります。ただ、不動産業者が土地の売主となる場合には売りに出す前に測量してありますので正確な面積を知ることが可能ですが、一般の方が売主の場合には売却するにあたって、契約までに自分の土地を測量しておくことはあまりありません。そこで参考にするのが、昔の地積測量図です。
地積測量図が登記簿がある法務局に保管されていたり、売主さん本人が地積測量図を持っていたら、それに基づいて現地を簡単にメジャーなどで測って、大きな狂いがなければ比較的信用できる資料だと判断します。




売買の方法は2種類
それでも、何年も前の測量技術と現在では違いますし、人為的なミスがあったかもしれません。また、土地の境界が全部当時のまま保全されているとも限りません。つまり、本当に正確な面積は今測ってみなければわからないというのが結論です。

そこで、考えられた売買方法が実測売買です。これはとりあえず、公簿面積で契約を締結して、契約後に測量した結果、あらかじめ1uあたりの単価を決めておいて、測量した面積の増減で清算する方法です。この方法であれば、土地の面積も明確になりますし、売主側も買主側も損得がありません。

それでも、費用と時間がかかること、場合によっては近隣との境界トラブルを起こす危険性をはらんでいることなど若干の欠点が無いわけではありません。そこで、比較的正確であると推測できる資料がある場合などは、測量もしないし清算もしない公簿売買という取引方法も多く行われています。
明確な決まりはありませんが、地価が高く信頼できる資料がない場合には実測売買、地価があまり高くなく資料もしっかりしている場合には公簿売買という目安で、売主側、買主側相談のうえ決められます。

地価が下がってきたとは言え、場所によっては境界の場所が数センチずれただけでその価値が大きく違ってくるようなことも考えられます。購入するときにはしっかりと確認しておきましょう。






貴方はどっち? 賃貸と持家

その5  周辺環境とコスト
 今回は住宅を取り巻く環境について考えてみたいと思います。不動産を購入するということは、その不動産がある周りの環境を購入することだと言われます。不動産は読んで字のごとく、回りが気にいらないからといって、場所を動かすことはできません。だからこそ、不動産がある場所の環境は非常に重要なものです。

《引越しの気軽さ》
 賃貸住宅に住まう大きなメリットのひとつは、住んでいる場所が気に入らなくなったら、比較的容易に引越しを決断することができることです。購入した場合には、不動産の価格が上昇局面であれば、売却して得た利益を元手に次の住宅を購入するということも考えられますが、現在のような下降局面では経費がかかり、何度も何度も繰り返し買い換えるというわけにはいきません。

《周辺環境とコスト》
そういった意味では賃貸住宅の方が気軽に引っ越すことがでるのは間違いないようです。
それでは今度は、環境そのものはどうでしょうか。環境といっても様々なことが考えられます。駅までの距離、通勤時間、公園、病院、買い物、日当たり、学校、防犯、近隣関係など、きりがありません。そして、これらが全部満足できるものを求めるとしたら、それなりのコストを覚悟しなくてはなりません。そして、これは賃貸住宅を決める場合でも、住宅を購入する場合でも、条件が良くなれば良くなるほどコストがかさむという点では共通します。
が、ここでも賃貸と持家の環境には差が現れます。気軽さを求めるか、長期的な全体の環境を重視するかは生活に関する価値観に差が出るところでしょうか!
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不動産のことば 《重要事項説明》

 不動産業者が取引をするユーザーに対して契約を行う前に、取引をしようとする不動産の権利関係や取引条件等について、書面に基づいて説明すること。この説明は宅地建物取引主任者が書面に記名押印したうえで重要事項説明書を交付して行わなくてはなりません。
この説明を受けることになるのは、賃貸を不動産業者の仲介で借りるとき、不動産業者から不動産を直接または代理で購入するとき、不動産業者の仲介で不動産を購入するときなどです。この重要事項説明を契約するかどうかの判断材料としてもらうために不動産業者が必ずしなくてはならないものです。

一度はこの説明を受けたことがあるという方も多いはずですが、この内容には字にもあるように取引において非常に重要な事柄がたくさん記載されています。

売買取引の場合では「家が建てられる土地なのか」「将来、増築できるのか」「隣に大きなビルが建つ可能性はないのか」「契約のトラブルがあったときは」「本当に間違いなく自分のものになるのか」その他にも大切なことが満載されています。ただ、残念なことにこの内容は一般の人には分かりやすいとは言えず、説明書を見ただけでは理解しにくい内容ばかりです。そこでここでも、大切なのが不動産営業担当者です。分からないことがあったらとことん聞く、それに対して納得ができるまで説明してくれるかどうか。当たり前のことですが重要なポイントです。





編集後記
 スーパーの野菜売り場に置いてある、きゅうり、なすやトマトが少しずつ元気になり始める季節になりました。もっとも、本格的には梅雨を越さなければ安くておいしい夏野菜にはお目にかかれないのですが... 最近では置いてある野菜の種類では季節感を感じにくいので、その値段と大きさや元気のよさで、夏の到来を感じているような気がします。


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