(住まいるクラブ 2005年2月号) 暖冬とはいえ、寒さが体にしみる日も続きます。花の便りも各地から伝わってきますが、本格的な春はもう少し先という2月。 今月は全国的にチョコレートが注目を浴びる月でもあります。いつごろからでしょうか、皆さんのお近くの街の通称「デパ地下」の一角で2月でもないのに、行列を作っているチョコレート店が出現したのは。これが、今月ともなると、更にエスカレートして、人気店では1時間以上待つような時もあるようです。好きな人にどんなに苦労しても、美味しいチョコレートを送りたいのか、それとも、送る本人が美味しいチョコレートをどうしても食べたいのかは分かりませんが、美味しいものは、いつの時代も人を魅了してやまないようです。 最近ではチョコレートの原料となるカカオに含まれる食物繊維やポリフェノールが健康にもいいということも盛んにいわれはじめ、カロリーが高くて太りやすく、甘くて虫歯になりやすいというチョコレートのマイナスイメージも振り払われつつあるようです。それでもチョコレートの消費量は欧米の数分の一だそうですので、行列のできるお店が、もっと必要かもしれませんね。 それでは、今月も甘いとろけるお味のおともにお送りいたします。 今月の <注目 NEWS> 「住宅金融公庫の新型住宅ローンの名称が決定」 住宅金融公庫が昨年11月上旬から公募していた、民間金融機関と公庫が提携して融資する長期固定型住宅ローンの名称が「フラット35」に決まりました。フラットは全期間固定型で安定しているというところから。35は最長35年の返済期間ということを表現したもの。また、中古住宅に対する融資条件の一部緩和も行われました。 <トレンド> 導入当初は取り扱い金融機関が少ないなどの理由で、なかなか広まり難かった新型ローンも、顧客獲得のために、各民間金融機関が軒並み2%台の金利で借りられるようにして取り扱いを始めたせいか、その利用需要は飛躍的に高まってきたような感がありあます。 融資手数料や金利には各金融機関によって違いがありますが、融資手数料は3万円〜5万円前後で金利は2%台後半が多いようです。以下にはその「フラット35」の共通する特徴を挙げてみましょう。 @保証料・保証人が不要 A申込はほぼ通年受付 B敷地面積の制限がない ※公庫は100u以上 C融資額は建設費の8割 ※上限は5,000万円 ※公庫は年収によって差有り D繰上げ返済手数料不要 フラット35には以上のような特徴があります。適合証明機関による設計、現場検査(中古住宅購入の場合は物件調査)が必要で、どんな物件でも借りられるわけではありませんが、他の住宅ローンの条件と比較して有利な点がたくさんある内容となっています。 これからは、ますますこの新型ローンに対する需要が高まるとともに、民間金融機関の借入条件も良くなっていくことが予想されます。国内の金融機関にとっては大型の不良債権処理もひと段落ついて、どうやって安定した収益を上げるかが各金融機関の多きな課題となっています。住宅ローンは安定した収益確保の手段として、競争の激しい分野です。これからは住宅ローンの借入条件がどんどん良くなることも期待されます。 何でもQ&A
A.今年の税制改正は大幅な改正は行われず。中古住宅の流通を促進させる部分に限定されています。具体的には、マイホームを購入するときの税制面での特典の中古住宅における築後経過年数の要件が撤廃されました。 今回は税制改正の質問です。毎年この時期になると、新聞などで改正内容が報道されて、その概略について知ることができます。実際に確定するのは国会の審議を通過してからですので、現段階では確定ではありませんが、この時期の案から大きく変わるということは、あまり考えられません。ここでは、その内容の概略をみていきたいと思います。 中古住宅の取引件数増加 国土交通省が発表した、平成17年度の税制改正主要項目の概要には参考の数字として、不動産業者の取引件数や物件情報を管理している財団法人(東日本不動産流通機構)の集計結果が添えてあります。それによると、首都圏の成約件数に占める割合が以下のようになっています。 <築20年超の中古戸建住宅> 13.9%(1993年) ⇒38.8%(2003年) <築25年超の中古マンション> 1.1%(1993年) ⇒17.7%(2003年) 欧米に比べると中古住宅の流通量が少ないといわれている日本ですが、少ないなかでも確実にその数は増えています。特にマンションの増加傾向は顕著です。 今回の改正は、こういった中古住宅を売れやすいようにしようとするものです。マイホームとして不動産を購入する人にとって、古いからといって、その税制面での優遇措置の道を閉ざしてしまうのは、以前から批判があったところです。 購入する人の特典 今年も昨年に引き続き、マイホームを購入する人にとっての税制面での優遇措置の内容は変わりません。以下で、その内容を確認しておいましょう。 @住宅ローン控除 A住宅取得資金贈与の特例 B登録免許税の軽減 C不動産取得税の特例 マイホームを購入する場合には以上のような特例があります。そして、これらの優遇措置を受けるには購入物件にいくつかの要件があります。その代表的な要件が面積制限(登記簿面積で述床面積が50u以上)と中古物件の築年数制限です。築年数制限は以下のようになっていました。 木造住宅 :20年以内 その他耐火構造の建物:25年以内 築後経過年数要件が撤廃 冒頭の参考資料にあるとおり、木造住宅で築後20年を超えるもの、マンションなどで築後25年を超えるものの取引件数は確実に増えています。今まではこれらに対する優遇措置を制限しても、それほどの影響はありませんでしたが、全体の取引件数に占める割合がここまで増えてくると、見過ごすわけにもいかないということです。 そこで今回の改正案では、この築後経過年数制限を撤廃しました。ただし、新耐震基準を満たしていることが条件とされます。つまり、木造で20年、その他耐火構造で25年を超える建物でも、耐震構造であれば税制面の優遇を受けられるということです。 新耐震基準って? ここで、はじめて聞く言葉が「新耐震基準」です。国内の建物の耐震基準は、いくつかの段階を経て今の基準になりました。最後の見直しが昭和53年(1978年)の宮城沖地震をきっかけとして行われた昭和56年(1981年)の大改正です。この基準を新耐震基準と呼び、現在でもこれをクリアしたものでないと建築はでません。 つまり、この改正が行われたのが昭和56年ですから、昭和57年以降に建てられた建物は、大丈夫ですが、昭和56年以前については、マイホーム購入の税制の優遇を受けるにはこの基準をクリアしているかどうかの判定が必要になるということです。この判定方法については、これから具体的になってくると思われます。 税制改正の概略でした。これからの住まい探しの参考にしていただければと思います。 貴方はどっち? マンションと一戸建て その3 今回は住宅の維持費について考えてみます。 分譲マンションに住むには、毎月の管理費、修繕積立金、駐車場代金が必要になります。毎月の維持費は戸建住宅よりマンションの方が圧倒的に高くつくという印象があるのではないでしょうか。確かにそうですが、一戸建住宅も、思わぬ出費が必要になることもあるようです。 《修繕積立金》 毎月の積立金を15,000円とすると、1年で18万円。これを10年間続けたとしたら180万円が積み立てられたことになります。マンションではこれくらいの額を長期修繕積立金として毎月徴収されるケースは少なくないと思います。 一戸建ではいかがでしょう。築後10年も経過してくると、外壁や屋根のチェックも必要な頃になります。 《大規模修繕》 マンションも同じですが、一戸建でも大きな修繕が必要な時期がやってきます。マンションでは毎月の積立金がありますが、一戸建では一度に大きな負担となることも考えられますので、ある程度の計画は必要になります。 《全ては自己負担》 その他にも雨漏りなどの突発的な負担も考えられます。その点ではマンションの方が気が楽な部分もあるようです。 毎月の管理費についても、庭木の手入れ、清掃などの負担も、一戸建では全て自分でなんとかしなくてはなりません。マンションはこういった負担から免れていると割り切ることもできます。 必要経費からは逃げることはできないようで、一戸建でも、マンションでもそれなりに経費がかかるということです。 (^.^)/~~~ 不動産のことば 《住宅金融公庫》 長期的かつ低利の住宅建設・購入の資金を国民に融資するため、昭和25年に住宅金融公庫法に基づいて設立された公的金融機関のこと。平成18年までには新たに設立される公的な機関(独立行政法人)に生まれ変わることが決まっています。 住宅都市整備公団、各地の住宅供給公社、そして、住宅金融公庫これらは戦後の日本の住宅事情を向上させるために、大きな役割を果たしました。最近では、こういった公的機関の罪ばかりが注目されていますが、時代を遡ってみると、民間企業ではできないような宅地開発、マンション分譲、一戸建分譲、賃貸住宅供給などを公団、公社が行い。住宅建設や分譲住宅購入に対する融資を公庫が担当して、経済成長と時を同じくして、国民の住宅の質を向上させるのに大きく貢献してきたといえます。 今現在、政治の世界では「郵政事業改革」についての議論が盛んに行われています。郵政事業もまた、住宅産業と同じような事がいえるのかもしれません。民間企業に実力がつくまでは、国のバックアップや主導が必要でしたが、民間企業に力がついてきた以上、その主役を明け渡さざるをえないということなのでしょうか。 官が主役でも、民が主役でも、いずれの場合も、それを利用するのは、わたしたち一般消費者です。消費者の立場でも分かりやすい議論の元に、分かりやすい制度が生まれることが望ましいことではないでしょうか。 編集後記 12月から翌年の2月までの平均気温が、例年より高いと暖冬と言われるそうですが、ここ10年では殆どが暖冬と言われた年だったようです。であれば、最近10年だけを考えてみると今年の冬は例年並の冬になります。そう考えると、これからの住宅は、冬の寒さよりも、夏の暑さ対策を意識したものが必要になってくるのでしょうか? 床暖房よりも床クーラー? |