不動産についてのお役立ち情報
  
(住まいるクラブ 2005年5月号)


 木々の緑が眩しい季節になり、立春から数えて八十八日目。春から夏に移る節目の日でもある「八十八夜」もやってきます。歌でも有名な八十八夜は、夏への準備をするという決まりの日で、縁起の良い日とされています。
「八十八夜の別れ霜」という表現があるそうで、この頃から霜もなく安定した気候となり、昔から茶摘みや、農作業を始める目安の日とされてきました。しかし「八十八夜の忘れ霜」という表現もあり、この時期には急に気温が下がり、霜が降りて農作物や果樹に思いがけない被害を与えることもあるようです。
もうそろそろ今年の新茶が店頭に並び始めます。八十八夜という言葉を聞くと、やはり新茶を思い起こします。4月から5月にかけて摘まれるお茶の葉は一番茶と呼ばれ、前の年の秋からひと冬越えてたっぷりと蓄えられた成分が含まれています。特に一番茶だけは丁寧に手作業で摘まれることも多く、新茶は一年のなかでも一番美味しいお茶とされています。やはりこの時期は、さわやかな外の空気を胸一杯に吸い込みながら美味しい新茶を飲むのが、なかなかの贅沢ですね。
それでは今月も、美味しいお茶のお供にお送りいたします。







今月の <注目 NEWS>

「東京都心部の住宅地が17年ぶりの上昇」

 国土交通省が発表した2005年1月1日時点の公示地価によると、全国平均は14年連続の下落となったが、東京都区部のうち、千代田、中央、港、新宿、渋谷の都心5区の商業地は、前年比でプラス0.5%と14年ぶりに上昇。住宅地もプラス1.4%と17年ぶりに上昇した。

 
<トレンド>

新聞紙上などで記事を確認された方も多いと思いますが、今年の公示価格が国土交通省から発表されました。1昨年あたりから、東京都心部の商業地と住宅地の地価上昇の兆しは感じられていましたが、ここにきて実際の数字としても証明された形になったようです。
東京圏全体でも3年連続で下落幅が縮小していますし、大阪圏、名古屋圏も上昇した地点が前年より大幅に増えています。3大都市圏以外の地方圏も8年ぶりに下落率が縮小して、全国的にじわっと地価の底値感が広まって、人気の高い場所は上昇に転じつつあるということでしょうか。

地価の上昇要因としては、投資目的の資金がオフィスビルなどの優良事業用物件に投入されて、需要が高まっていること、都心部の住宅地が郊外のそれと比較しても依然として値ごろ感があることなどが挙げられます。ただ、都心部と郊外での地価の格差は大きくなっていて、地価の二極化がますます進んでいくことも予想されています。

また、今年の発表内容で印象的なのは、愛知県の産業を引っ張る、本社ビル建設中の世界のトヨタや「愛・地球博(愛知万博)」の影響で経済が好調な名古屋市の商業地が、全国の上昇率ランキングトップ10のうち中村区、中区など8カ所でランクインしたということです。
六本木、丸の内、汐留、そして、名古屋と大きくて近代的な新しい開発プロジェクトがあると、その周りには、オフィスや住宅地の需要が高まるという好循環が生まれてきているのでしょうか。こういった動きが、好影響を与えて日本経済全体が良くなることを望んでいます。





何でもQ&A

Q.現在、一戸建を所有しています。今度から権利証が必要なくなると聞きましたが本当でしょうか。
それが本当だとしたら、権利証がないのに、どうやって自分のものだと証明できるのでしょうか?また、今持っている権利証は必要なくなるのでしょうか?

A.昨年6月に法律が改正されて、今年の3月から新法施行となり、オンラインが導入されているエリアでの新しい取引については、権利証が発行されず、その代わりに暗証番号のようなものが本人に通知されます。ただ、今ある権利証はそのまま有効ですので今までどおり大切に保管してください。

 105年ぶりの法律大改正なのだそうです。105年前といえば明治33年。その頃から不動産の所有者の証明でもある「権利証」の形式がほとんど変わっていないのにも驚きですが、今回は不動産の登記について考えてみましょう。

名義を登記する
土地・建物などの不動産の新しい所有者は自分の所有になったことを法務局に申請します。この申請を「登記」といい、法務局のことを「登記所」ともいいます。
言い換えると、家を買った時には自分の所有になったことを登記所に登記申請する必要があるということです。
そして、登記申請が終わると登記所から登記が完了したことを証明する「登記済証」というものをもらいます。実はこの書類が「権利証」です。

登記申請は誰がする?
この登記申請は、売買の場合には売主と買主の両者が登記所に行って申請しなくてはなりませんでした。ただ、実際には両者の代理人として資格を持った司法書士が両者の委任を受けて、売主と買主に代わって、登記申請を登記所に出向いて行います。
そして、この申請が今回の改正によってインターネット上でできることになりました。明治時代から続いた書類による申請もついに終わりを告げます。

導入は少しずつ?
ただし、このインターネットによる申請ができるのはオンライン申請ができる状態になった登記所「オンライン指定庁」管轄内での取引に関してのみです。また、この指定庁管轄内の取引でも当事者の住基ネットの番号が必要になるなどの条件があります。それらの条件が整わない場合はインターネットによる申請はできませんので、今までと同じように登記所に書類を提出します。
ただ、インターネットによる申請でも、書類による申請でも、オンライン指定庁の管轄内での取引では権利証は発行されなくなるのは共通します。ちなみに、オンライン指定庁はこれから少しずつ増えていくので、全国的に広がるのはまだまだ先のようです。

権利証がなくなる
オンライン指定庁では、登記申請についての権利証は発行されません。それに代わるものとして買主本人に暗証番号のような「登記識別情報」というものが通知されます。これからは、この情報を権利証の代わりに大切に保管する必要があり、この情報を知っていることが所有者である証明のひとつとなります。

心配な場合は?
この情報は今までの権利証と同じような役割を果たします。そこで心配なのが、この情報が誰かに知られたり、情報そのものを紛失してしまったりすることです。この情報を使うのは、特別な場合を除いては家を売却する時までは必要ありませんので、大切にしまってあった場所を忘れてしまうこともありがちです。
そんな心配を解消する方法として、この「登記識別情報」を受け取らないことを選択することができます。情報そのものがなければ、盗まれたり、なくす心配がないということです。
将来、家を売ることになったときでも、この情報がなくても司法書士の先生に本人であることを確認してもらったりする方法で対処できますのでまったく問題はありません。まさしく、権利証に変わるものもまったく手元にない状態になります。皆さんはどちらを選択しますか?

実際の不動産の売却や購入にあたっては、司法書士の先生のアドバイスを受けて手続きを進められますので安心です。でも!ここでも時代の変化が感じられます。



貴方はどっち? マンションと一戸建

その6
今回は家のなかで生活しているときの騒音について考えてみます。
マンションは勿論のこと、一戸建でも、周りに家がないような山や畑のなかでない限りは、少なからず外からの音は聞こえます。
音に対する感度は人によってかなり差はありますが、静かな環境を求めるのは皆同じではないでしょうか。

《生活音》
マンションの場合は多くの世帯が共同の建物に生活するために隣と上下の生活音がまったくしないということはないと思います。その点一戸建では隣との壁が離れていますし、上の階の音の心配は必要ありませんので、騒音の面では一戸建の方が安心できます。ただ、マンションでも施工や管理がしっかりしていれば安心です。

《管理規約》
マンションでもフローリングが一般的になってきました。管理規約でこのフローリングの素材に一定水準以上のものを規定されている方が安心です。自分の部屋をリフォームするときにはフローリングについてはコストが高くなりますが、この条件を満たすか満たさないかによって上下階の騒音は雲泥の差ですので。この決まりがあるかないかで、安心度がかなり変わってきます。

《夜がポイント》
街に暮らす以上、外からの音を完全にシャットアウトすることは不可能です。駅から近くて便利、ショッピングセンターが近くて便利など、便利さを求れば多少の音はしょうがないものと割り切る必要もあるかもしれません。
それと、自分の家が騒音の発生元にならないように、くれぐれも注意しましょう。
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不動産のことば 《公示価格》

 地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が鑑定し公表する毎年の1月1日時点の全国の標準値の1平方メートルあたりの地価のこと。都道府県が7月1日時点で公表する基準地価と並び、土地取引や固定資産税、公共用地取得などの価格決定の目安となります。

公示地価で日本で一番地価の高い場所は4年連続で千代田区丸の内2丁目の通称「丸ビル」で価格は1平方メートルあたりなんと2,200万円です。その前までは9年連続で東京都中央区銀座6丁目の「ギンザコマツビル」が日本一の座を守っていましたが、丸ビル建替えなどもあり丸の内がここ最近は首位をキープしています。1平方メートルあたり2,200万円を坪単価に直すと約6,600万円になります。1坪は畳2枚分ですので、6帖の土地を確保するのに約2億円近いお金が必要になるということです。商業地で、いくら高層ビルが建てられるとはいえ、その金額に驚かされます。

公示地価は実勢価格より低く、取引の参考にもならない時期がありました。現在では比較的、実勢価格に合った価格になっていますので、不動産業者が土地の査定価格を算出するときの参考とすることも少なくありません。
公示地価は現在、インターネットでも確認できますので、ご自分のお住まいの近くの土地がいくらぐらいの公示地価になっているのかを確認してみてはいかがでしょうか。




編集後記
 お天気の良い日には列車に乗って旅に出てみたい誘惑にかられます。新幹線の急ぐ旅ではなく、のんびりと外の景色を眺めながら。傍らには駅弁と好きな本が1冊。そして、ほんの少しのアルコール。目的地は、どの季節にも似合う温泉がいいでしょうか。駅からはのんびりとバスを使うのもいいかもしれません。ちょっと急ぎすぎている自分を見直しに。