不動産についてのお役立ち情報
  
(住まいるクラブ 2006年4月号)


 暖かい日が増えてきました。春うららかな日の恒例のニュースのひとつとして、富山湾で発生する「蜃気楼」があります。
これは北アルプスの冷たい雪解け水が海水の温度を急激に下げ、海水の表面温度が低くなることによって水面に接している空気が密度の濃い冷えた空気の層になり、その層と暖かな密度の低い層との間に光の屈折率の違いが生じることによって地上の景色や逆立ちした船が見えたりする現象です。実物を見た人はそんない多くはないかもしれませんが、テレビの画面ではこの不思議な現象を目にした人も多いことでしょう。
この「蜃気楼」という言葉は「蜃という動物が吐く気によって空中に楼台などが表れる」という中国の古い伝説からきているようです。この「蜃」という動物はどんな動物なのかと調べてみると。龍になる最初の段階の蛟(みずち)という龍の小型版のようなものという説と大蛤というふたつの説があるようです。日本では後者の大蛤とするほうが主流のようですが、海の底から大きな口を開けて蜃気楼を作っている姿を想像するとなんとなくユーモラスな感じがしますね。 それでは今月もまぼろしでも現れそうな春うららかな昼のお供にお送りしてまいります。




今月の <注目 NEWS>

「3月のフラット35平均金利は2.958%」

住宅金融公庫は3月2日、「フラット35」の3月の平均金利が2.958%(前月差プラス0.12%)になると発表した。最低金利は289の全取り扱い金融機関のうち7機関が提示した、2.591%(前月差プラス0.13%)となった。

 <トレンド>

「日銀の金融の量的緩和政策」「日銀の当座預金残高」という言葉を聞かない日がないような状況になっています。日本経済が拡大しているから今まで特別扱いしていた事をもとにもどして大丈夫なのか迷っている。もしくは、もうすぐ特別扱いが終わるからそれに対して準備をしておいてださいと企業や国民に知らせている時期だということです。特別扱いを終了させるのは決まっていますが、あとはそれをいつ終了させるかということ。

景気が順調に拡大しているという時期には、たくさんの要因が重なって住宅ローンの金利も上がります。今回のフラット35の金利が上がったのも、景気が良い方向に向かっていることが原因でもあります。民間金融機関の住宅ローンの借入金利でも上昇が始まっています。

民間金融機関では金利が上がることによってお客さんが逃げて、全体の利益の2割を占める住宅ローンの収益が減ることがないように、今までになかった住宅ローンの商品を投入し始めています。
例えば、今まで最長でも35年返済だった返済期間の上限を20歳代の人には40年や50年まで延長できる商品。癌などの重い病気になったらローンが免除になる商品などです。これからは金利だけでなく、こういった商品の特徴を比較しながら住宅ローンを選ぶことができるようになるようです。

ところで、現在の景気拡大は2002年の2月から始まっていて、今年の11月までこの景気拡大が続くと、昭和40年(1965年)から57ヶ月続いた「いざなぎ景気」を超えるということです。そんなに景気が好い状態が続いている実感はまりないのですが… (-_-;)






何でもQ&A

Q.自宅の売却を考えています。最近よく「瑕疵担保責任」という言葉を耳にします。これは売主の責任範囲のことだと思うのですが。自宅を売った後に、何かあったら修理する義務が売主にあるのでしょうか。また、その義務がある場合は、いつまでその義務を負わないといけないのでしょうか。

A.中古物件は現状のままの姿で売買されるのが原則ですが、目に見えない欠陥については一定期間売主さんに修復義務を負わせることがあります。また、その期間については一般的に売主さんと買主さんで相談して決めます。

今回は自宅を売却するときの売主の責任範囲についてのご質問です。中古物件の売買を売主も買主も安心して取引するには、様々な取り決めが必要になります。今回はそのなかの、引渡し後に物件の欠陥がみつかった場合を考えてみましょう。

瑕疵って何?
法律では行為、物、権利などのキズや欠陥のことを瑕疵と表現します。特に不動産取引では一見しただけでは分からないキズや欠陥を「隠れた瑕疵」と言います。建物の隠れた瑕疵の代表的なものは「雨漏り」「白蟻の被害」「給排水設備の故障」「建物の主要構造部の腐食」などがあげられます。

今回の回答にもあるとおり、中古建物は古いものは古いままで売買されるのが原則です。例えば、見えている場所の壁紙が一部破れていても特段の取り決めが無い限りはそのまま引渡されます。問題は先にあげたものに代表されるような、住んでみないと判明しないような欠陥です。

一生つきまとう?
他の取引と同じように、不動産の売買においても、何も取り決めが無い場合は、見えない瑕疵の修復義務はいつまでも売主につきまといます。それではあまりにも売主に酷なので、売主と買主が相談して、その責任を負う期間を自由に決められることになっています。

一般的には、物件を引渡してから2ヶ月の間に発見された見えない瑕疵については、売主に修復義務が生じる内容の契約が多いのですが、最近では引渡し後のトラブルを未然に防ぐ観点から、売主の瑕疵の修復義務を免除する契約も増えています。中古物件なのでいつ壊れてもしょうがないので、それを承知で買主も売買契約を締結して欲しいという考え方に基づくものです。

不動産業者には規制が
この売主の責任期間については、売主が不動産業者の場合には厳しい規制があります。見えない瑕疵については、最低でも物件引渡しから2年間は業者が修復する義務を負わなくてはなりません。更に、物件に新築建物が含まれるときは雨漏りや主要構造部については建物引渡しから10年以上の瑕疵担保責任の期間を定めなければなりません。消費者保護の観点から、売りっぱなしで知らん顔をする業者がないように法律で定められています。

売却するときの注意点
引っ越してから10年を超えたある時期に、電気製品が時を同じくして故障し始めて、思わぬ出費が重なったという経験はありませんか?これは引っ越したときに必要な電気製品をいっぺんにそろえた結果、壊れる時期も同じような時期に重なることが原因です。

そんな時期と自宅の売却の時期が重なることは多いはず。古くなったから、手狭になったからという売却理由のときは特にそうです。
自宅を売却するときは建物と一緒に売る設備が壊れることも考えて、契約前に不動産営業担当を間に挟んで、買主と充分に打ち合わせておくことが重要です。引渡しの時には何を残していくのか、その状態はどうか、引渡し後に壊れたとき処理はどうするのか、また建物の状態も事前に告知しておく必要があるものは必ず不動産営業担当を通じて買主に知らせておかなくてはなりません。そうすることによって「ここにあったものが無い!」「そんなことは聞いてない!」というトラブルを防ぐことができます。

売主が住んでいる物件を購入する場合は買主も気兼ねして何度も建物を見にいくことができないのが実情。それだけに、特に建物がどういう現状で、どういう状態で引渡しされるのかを売主と買主で確認した書面をしっかりと作成することがポイントです。






貴方はどっち? 建てる前と後?

分譲住宅の購入契約を考えたとき、あなたは完成前の物件と完成後の物件のどちらがいいですか?入居までの時間の問題、戸建とマンションの違いなどの諸条件の違いはあるにせよ、好き嫌いはあるような気がします。なかには建築に手のついていない状態でないと絶対にいやだという方、もしくはその反対という方もいるのでは…

《技術の進歩》
完成物件でないと、できたときのイメージが湧かないとうのは共通の思い。ところが、最近では便利なコンピューターソフトがたくさんあって、完成したときの外観は勿論のこと、建物の内部を見た様子やマンションなどでは外の景色も体験できるようなものもあります。ただ、あくまでもバーチャルな世界なので最後は想像力を働かせる必要があるのが未完成物件です。

《売主の意識》
どんな工事が行われているか不安だから建築している工程を自分の目で見ないと、特に戸建では安心できないというのが未完成物件主流派でしょうか。耐震構造偽造事件の記憶が新しい昨今では、このような心配を意識して、売主である不動産業者や建築業者もどうしたらお客様に安心してもらえるか腐心しています。建築当初からの工事履歴を写真と一緒に資料で提供したり、第三者機関の保証をつけたりする方が主流となりつつあります。今は建物の安全性や信頼性を証明するものがないと契約もしてもらえない時代になったとも言えます。

いずれでも、情報をうまく提供してくれる業者でないと安心できません。不動産業界に限らず、お客様の方を向いているかどうかは、実際の営業社員に接するとなんとなく感じられますね。





 

不動産のことば 《上棟式》

 「上棟式(じょうとうしき)」は「建前(たてまえ)」「棟上げ(むねあげ)」とも呼び、家屋建築で主要な柱や梁、棟木などが組み上げられたときに、棟が上がったことを喜び、感謝すると同時に、竣工までの無事と建物の堅固さを祈願する儀式のこと。

最近では建売住宅が増えたせいもあるのでしょうか、上棟式そのものをあまり見なくなりました。昔は上棟式があると、近隣の人たちも集まってお料理も振舞われたりして、ちょっとした集落のイベントだったようです。

ところで、上棟式は「おかめ」と縁があるのはご存知でしょうか。場所によって多少の違いがあるようですが、塀串(へいぐし)におかめの扇を付けたり、女性の七つ道具の櫛、髪ざし、鏡、白粉、口紅、針、女性の髪を飾ったりします。これは、昔有名な大工の棟梁が大きな寺の建築を任された時に大切な四本の柱のうち一本を間違って短く切ってしまい、造営がピンチに陥ったのを、棟梁の妻おかめが本堂に必死に祈ったところ「ほかの3本の柱も短く切り、その柱の頂上を増す組(方形の組み方)方にすればいい」という神の啓示を受け、棟梁がそのとおりにしたところ素晴らしい骨組みが完成したという物語に由来するそうです。

悲しいことに、工事が完成すれば命は惜しまないと願いをかけていたおかめは上棟式直前に自害してしまい、悲しんだ棟梁が上棟の日、亡き妻おかめの面を棟札に付けて徳をたたえたのが始まりと伝えられています。日本の伝統儀式には、ちょっとした物語が隠されていることが多くて興味深いですね。







編集後記
 冬季オリンピック、野球のワールドカップが終わったと思ったら、今度はサッカーのワールドカップが開催まであと少しと、今年は色々なスポーツの世界大会が目白押し。そのなかでも燦然と輝いているのが金メダルでしょうか?世界で10本の指に入るだけでもすごいことなのに、やっぱり3番以内でないとだめなのでしょうか? 複雑! (*_*)